東京都は2023年1月27日、都政の長期計画「『未来の東京』戦略」の改訂版を公表した。これまでの常識が通用しないグローバルな課題や急速な少子化等を踏まえ、新規施策の構築や見直しを図る。改訂版では、0~2歳児の保育料無償化や18歳までの給付金支援、リスキング・リカレント教育等の具体的な戦略を提示した。
東京都は2021年3月に、理想の未来を展望した長期計画「『未来の東京』戦略」を策定。時代や状況の変化に弾力的に対応する「アジャイル」を基本に、取組みの進捗や社会環境の変化により、さらに良い方法やより効率的な方法が見つかった場合には内容を見直すこととしている。
今回バージョンアップするおもな政策分野は、「成長の源泉となる『人』」「世界から選ばれ・世界をリードする都市」「安全・安心でサステナブルな東京」「従来の枠組みを超えた取組」の4分野。さらに、4分野において強化の方向性をそれぞれ3項目ずつ提示している。
このうち、成長の源泉となる「人」の分野では、強化の方向性に「チルドレンファーストの社会」を最初に掲げ、これまでにない大胆な政策を展開する。結婚から子育てまでを切れ目なくサポートし、子供目線からの政策を加速、多様な学びを支援するとしている。具体的には、AIマッチングや交流イベントによる結婚支援、収入制限のない0~2歳児(第2子以降)の保育料無償化、018サポートによる0~18歳の子供に対する給付金支給等をあげた。
人材育成においては、都内高校生を対象とした英語プレゼンコンテストの開催や、都立大に金融の専門知識とビジネスレベルの英語力をかん養するコースを開設。キャリアアップに向けたリスキング・リカレント教育の強化、小中学校向けの起業家教育の推進等をあげた。また、従来の枠組みを超え、大学定員増抑制の撤廃、子供・子育て支援策の充実等、国と連携した制度を改革するとしている。
「未来の東京」戦略 version up 2023は、東京都政策企画局のWebサイトで閲覧できる。