情報モラル教育に関するアンケートは、教職員199人を対象に、教育ネットが2022年8月16日に実施したもの。
「情報モラル教育」に対しての課題を尋ねたところ、「児童生徒より保護者への啓発が必要だと思う(40.2%)」がもっとも多く、「忙しくて情報モラル教育に手が回らない(35.2%)」「児童生徒が自分ごととして捉えているかが心配(34.7%)」が続いた。また、「授業時間が確保できない(23.1%)」「授業を準備する時間が中々とれない(27.6%)」等、業務が多忙で情報モラル教育にじっくり取組みできないという実情もうかがえる結果となった。
小学校教員・中学校教員別でみると、「児童生徒より保護者への啓発が必要だと思う」との回答は、小学校教員では46.2%、中学校教員は26.4%だった。「トラブルが起きてからの事後指導がメインとなってしまっている」との回答は、中学校教員が34.0%と小学校教員23.1%と比較して多く、トラブルに発展する前の事前指導が難しいと感じていることがわかった。その他、小学校教員では「小学校低学年に対してどのように教えたらいいのかわからない」との回答も18.2%みられた。
文部科学省によると、情報社会では、ひとりひとりが情報化の進展が生活に及ぼす影響を理解し、情報に関する問題に適切に対処し、積極的に情報社会に参加しようとする創造的な態度が大切であると示されている。誰もが情報の送り手と受け手の両方の役割をもつこれからの情報社会では、情報がネットワークを介して瞬時に世界中に伝達され、予想しない影響を与えてしまうことや、対面のコミュニケーションでは考えられないような誤解を生じる可能性も少なくない。このような情報社会の特性を理解し、情報化の影の部分に対応し、適正な活動ができる考え方や態度が必要となってきている。