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探究学習の課題「教師の負担増」中高教員の約6割

 「総合的な探究の時間(探究学習)」の必要性は認識する一方で、中高教員の約6割が「教師の負担が大きい」ことを課題としていることが2023年7月25日、カンコー学生服の調査結果より明らかとなった。

事例 その他
「総合的な探究の時間(探究学習)」の課題の調査
  • 「総合的な探究の時間(探究学習)」の課題の調査
  • 生徒が「総合的な探究の時間(探究学習)」に取り組むことは、必要なことだと思うか。(単数回答)
  • 「総合的な探究の時間(探究学習)」について、困っていることや課題に感じていることは何か。(複数回答)

 「総合的な探究の時間(探究学習)」の必要性は認識する一方で、中高教員の約6割が「教師の負担が大きい」ことを課題としていることが2023年7月25日、カンコー学生服の調査結果より明らかとなった。

 調査は2023年6月、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、カンコー学生服が楽天インサイトに委託しインターネットでリサーチしたもの。

 学習指導要領の改訂により2022年度から高校で始まった「総合的な探究の時間(探究学習)」では、児童・生徒自身が課題を設定し、その解決に向けて情報を集め、整理・分析をしながら、周囲の人との意見交換や協働を通じて、主体的に自らの考えをまとめ・表現する学習活動が実施されている。

 探究学習に取り組むことの必要性は、「とても必要」「やや必要」をあわせ、中学校は7割超、高校は6割超の教員が生徒にとって必要だと回答。一方、高校では「全く必要ではない」という回答も約1割みられた。

 必要な理由には、「キャリア発達に必要」「将来のことを多角的に学べる」「多様な考え方が身につく」など。不要な理由には、「準備が大変」「教材づくりが難しい」「興味を持たない生徒が多い」などの意見が寄せられ、生徒の主体性・意欲を引き上げることの難しさがうかがえる。

 探究学習の課題は「教師の負担が大きい」との回答がもっとも多く、中学校60.4%、高校57.6%。このほか、「テーマ・課題の設定」(中学校43.4%、高校41.5%)や「調べ学習で終わってしまう」(中学校40.1%、高校38.9%)、「生徒が主体的に取り組まない」(中学校26.7%、高校34.9%)などが上位にあがった。

 探究学習は、従来の教科のようにあらかじめ決められた正解がなく、実施に苦慮している学校も多くあることがうかがえる結果となった。調査結果は、カンコー学生服が毎月最終火曜日に結果を発信している調査レポート「カンコーホームルーム」Vol.210にて公開している。

《川端珠紀》

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