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【相談対応Q&A】置き勉を認めてほしい

 近年は多様なランドセルが発売されています。そういったことと関連し、ランドセルおよびその中身に関する問題も発生しています。今回のテーマは「ランドセルが重いので、学校に教科書を置かせてほしい」。

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 学校に寄せられるさまざまな相談。保護者や地域からの相談に先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまな相談に対応する際のポイントを聞いた。第70回のテーマは「ランドセルが重いので、学校に教科書を置かせてほしい(置き勉を認めてほしい)」

ランドセルの重さは増加傾向


 ランドセルは小学生の象徴のようなものです。小学校1年生の子供が新しいランドセルを背負い入学式に向かう姿は、子供にとっても、親にとっても、誇らしく、嬉しいものです。近年は多様なランドセルが発売されています。そういったことと関連し、ランドセルおよびその中身に関する問題も発生しています。

 小学生が重いランドセルを背負って通学しており、体にも良くないのではないかということが話題になることがあります。「ランドセル症候群」という言葉もあります。「ランドセル症候群」とは、自分の身体に合わない重さや大きさのランドセルを背負い長時間通学することによる心と体の不調を表す言葉です。ある調査によると、ランドセル(中に入っているものも含めた重量)の平均が3.97kgというものでした。また、教科書の厚さは以前よりも増しています。小学校1年生から6年生の教科書のページ数の合計は、平成17年度(2005年度)と比べ、令和2年度(2020年度)は1.7倍に増加しているという調査結果もあります。

 現在、GIGAスクール構想によりタブレット/PC端末が1人1台配布されています。コロナの流行もあり、タブレット/PCを毎日持ち帰る学校もあります。ノートパソコンは子供用のモデルでも1.5kg程度はあります。タブレットであればもう少し軽いのですが、従来の持ち物に加え、PC関連グッズを持って帰るということは子供の体にとって負担が増す可能性が高くなります。

持ち帰る荷物について考えてみる


 こういった状況において、学校に教科書等を置いていくというやり方をしている学校があります。妥当な判断だと私は感じます。現在は紙の教科書やノートとタブレット/PCが併用の時期です。あと数年すると、電子教科書がかなり一般的になってくることが予想されます。そういった状況になると、紙もの(教科書・ノート等)の持ち物が減ってくることが予想されます。

 学校で使用するものが少なかった状況においては、基本的には「すべてのもの(教科書等)を持って帰る」というやり方で良かったのでしょう。それが先にも触れたように状況が変わりつつあります。そういった状況においては、一部を学校に置いていくということも取り組んでいくべきでしょう。

コロナを機に見直すチャンス


 学校という組織はあまり変化を好まない組織です。これは持ち物に関することだけではなく、行事等も「例年通り」であることが多いです。現在の新型コロナウイルスの流行は人々の暮らしを変えています。学校も色々な部分が以前とは違ったものとなっています。今回のテーマである「持ち帰る荷物」についても、このタイミングで考えてみると良いのではと思います。

 「子供の体にとってどうなのか」「何が本当に必要なのか」等についてです。何が本当に子供のためになるのかということを考える良いチャンスなのではと思います。今回の新型コロナウイルスによって学校はたくさんの苦労をしています。ただそれはマイナス面だけでなく、変化に舵を切るきっかけになるのであれば、プラス面でもあるのだと思います。

 本企画では、読者の皆さまからの質問を受け付けています。下記のボタンをクリックして表示されるフォームより送信ください。実際に学校へ寄せられた相談の他、保護者が学校へ伝えた相談等、鈴木先生に対応方法を聞いてみたい相談事例を募集します。

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鈴木 邦明(すずき くにあき)


平成7年 東京学芸大学教育学部 小学校教員養成課程理科専修卒業。平成29年 放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修了。神奈川県横浜市、埼玉県深谷市で計22年、小学校教諭として勤務。現場教員として子供たちの指導に従事する傍ら、幼保小連携や実践教育をテーマとする研究論文を多数発表している。こども環境学会、日本子供学会等、多くの活動にも関わる。平成29年4月からは小田原短期大学特任講師、平成30年4月からは帝京平成大学講師として、子供の未来を支える小学校教諭、幼稚園教諭、保育士等の育成や指導に携わる。
《鈴木邦明》

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