教育業界ニュース

【相談対応Q&A】近道で登下校したい

 学校では通学に関連する問題が色々と発生します。交通事故、不審者、集団登校でのトラブル等です。そういったもの中でも、今回のテーマは「通学路だと遠回りなので、近道で登下校したい」です。

事例 その他
画像はイメージ
  • 画像はイメージ
 学校に寄せられるさまざまな相談。保護者や地域からの相談に先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまな相談に対応する際のポイントを聞いた。第68回のテーマは「通学路だと遠回りなので、近道で登下校したい」。

登下校の責任は?


 学校では通学に関連する問題が色々と発生します。交通事故、不審者、集団登校でのトラブル等です。そういったもの中でも、今回のテーマは「通学路だと遠回りなので、近道で登下校したい」です。

 通学は関わる大人(教員、保護者等)の責任がどこまで及ぶのかということが少しわかりにくいテーマでもあります。以前、この連載でも通学をテーマにしたことがあります。その際に書いたのですが、教員は交通安全等のために道路に立って指導することは基本的には職務ではありません。学校保健安全法では学校(教員)の役割について「登下校の交通ルールを教えること、地域等と連携をすること」としています。通学の安全の見守りは保護者、自治体、警察等が責任を持って行うこととなります。詳しくは「【クレーム対応Q&A】通学路指導に教員が立番すべき?」をお読みください。

 今回のテーマである「どこの道を通って学校まで行くのか」ということは、子供の安全においてとても重要なことです。学校はそういったことをきちんと保護者に伝えていくことが大切でしょう。大きなこととしては、通学路ではない道を通っている時に子供が交通事故にあったとしても治療費等が支給されないということです。学校での日々の活動において怪我等をした場合には、治療費等が支給される仕組みとなっています。学校が安全であるとした通学路を通らずに交通事故等にあった場合は子供(および保護者)の自己責任のような感じにされてしまいます。親に対してぜひとも伝えたい内容です。

 また、通学路とそうでない道を比較すると、通学路でない道の方がいくつかの点で危険度が増します。通学路には見守りの人等が居てくれることが多いです。学校の近くの交差点や大通りを渡る横断歩道等、多くの子供が通る場所や少し危険度が高い場所には、地域の方等が立ってくれています。通学路は歩道があることも多いです。交通事故に関しても、不審者に関しても、通学路を通らないことはそういったトラブルが発生するリスクを高めることにつながってしまいます。

通学路は学校長が決定


 通学路に関しては、学校長が決めることになっています。学校は定期的に指定している通学路が適切なものであるのかを保護者や地域の人達と連携しながら、確認をしていく必要があります。子供を巻き込む悲惨な交通事故等が発生すると文科省からの指示のもと、通学路の安全確認等が行われます。本来は定期的にそういったことが行われることが望ましいでしょう。地域によっては、新しく道路が作られることもあります。そういったタイミングで通学路を変更していくことも必要なことでしょう。通学におけるトラブル(交通事故等)は、その影響が大きなものも多いです。残念ながら毎年一定数の子供が交通事故で亡くなってしまっています。学校としてはしっかりと保護者に通学時の安全についてアナウンスをしていきたいです。

 本企画では、読者の皆さまからの質問を受け付けています。下記のボタンをクリックして表示されるフォームより送信ください。実際に学校へ寄せられた相談の他、保護者が学校へ伝えた相談等、鈴木先生に対応方法を聞いてみたい相談事例を募集します。

質問をする

鈴木 邦明(すずき くにあき)
平成7年 東京学芸大学教育学部 小学校教員養成課程理科専修卒業。平成29年 放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修了。神奈川県横浜市、埼玉県深谷市で計22年、小学校教諭として勤務。現場教員として子供たちの指導に従事する傍ら、幼保小連携や実践教育をテーマとする研究論文を多数発表している。こども環境学会、日本子供学会等、多くの活動にも関わる。平成29年4月からは小田原短期大学特任講師、平成30年4月からは帝京平成大学講師として、子供の未来を支える小学校教諭、幼稚園教諭、保育士等の育成や指導に携わる。
《鈴木邦明》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top