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共通テスト、高校進路担当「生徒の差大きかった」2割

 ベネッセ教育総合研究所は2021年9月6日、「教育・入試改革対応に関する調査」2021年度集計結果報告を公開した。大学入学共通テストについて、半数近くが「例年と変わらなかった」と回答したが、「良かった生徒とそうではない生徒の差が大きかった」との回答も2割を占めた。

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共通テストの結果に対する認識
  • 共通テストの結果に対する認識
  • 教育・入試改革に向けた取組状況
  • 教育・入試改革に向けた課題感
  • 共通テストについて、特に今後の対応が必要だと感じる問題
  • 共通テストで想定していたよりも高得点がとれた生徒の特徴
  • 共通テストの結果認識別の行ってきた指導
  • 共通テストの結果認識別の学習の質を高める指導
  • 生徒の学習に関する課題
 ベネッセ教育総合研究所は2021年9月6日、「教育・入試改革対応に関する調査」2021年度集計結果報告を公開した。導入初年度となった大学入学共通テストについて、半数近くが「例年と変わらなかった」と回答したが、「良かった生徒とそうではない生徒の差が大きかった」との回答も2割を占めた。

 「教育・入試改革対応に関する調査」は2021年2月19日~3月31日、全国の国公私立高等学校、中等教育学校の進路担当教員を対象にFAX・Webによる回答で実施。有効回収数は1,024校。

 教育・入試改革に向けた取組状況を経年比較した結果、2020年から2021年にかけてもっとも取組みが進んだのは「授業・家庭学習におけるICT利活用」だった。「組織的な取組み」「多くの先生の取組み」の回答率は、制度変更があった「英語4技能検定試験の受験指導」と「多様な活動履歴の蓄積(ポートフォリオの活用)」等を除き、ほとんどの項目で徐々に取組みが進んできている。

 「特に課題に感じる」の回答率がもっとも多かったのは、2020年度に続いて「学習の質を高める指導」28%だった。2020年度から追加した「各教科の観点別評価の導入・実践」は、取組状況はほとんど変化がない一方、課題に感じるという回答は増えていた。

 大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の結果に対する認識では、事前の難化予想に反して平均点が上昇したこともあり、「例年(センター試験)と変わらなかった」という学校が文系49%、理系44%ともっとも多かった。「想定していた得点をとれない生徒が多かった」(文系18%、理系19%)や「良かった生徒とそうではない生徒の差が大きかった」(文系21%、理系22%)という回答も2割前後あった。自由回答には「臨時休業中の学習状況で差がついた」「自学自習できた生徒とそうでなかった生徒の差が埋まらないまま共通テスト当日を迎えた」といった声があがった。

 共通テストについて特に今後の対応が必要だと感じる問題は、「【英語】読解量の大幅な増加」57%が最多。「【国語】複数の文章や資料を比較・関連付ける問題」39%、「【英語】リスニングの1回読みの問題」39%、「【地歴公民】初見のものを含む多くの資料を読み解き、考察する問題」38%と続いた。

 共通テストで想定していたよりも高得点がとれた生徒の特徴については、「見通しを持って学習を進めている」36%、「課題を把握し、効率的に学習ができている」36%、「希望進路が明確で、強い志望理由がある」35%がトップ3に並び、「学習時間が多い」33%を上回った。

 共通テストの結果が全体的に良かったと回答した学校とそれ以外の学校とで、共通テストを意識して行ってきた指導の回答状況を比べてみると、文系では「学習マネジメント力の養成、自走化」「授業で対話的な学びを取り入れる」等の項目で大きな差がついた。理系では授業改善の取組みで差が出た。

 学習の質を高める指導の取組みでは、「教科面談の実施」「時期ごとの学習計画の作成」「学習方法のオリエンテーションの実施」等を行っている学校で、共通テストの結果が良かったと回答している割合が高かった。

 生徒の学習に関する課題では、「そもそもの学習量が足りない」が73%ともっとも多く、「基本的な学習習慣が身に付いていない」61%、「与えられた課題以上のことはしない」58%等が上位となった。「学習計画がうまくいかない場合に軌道修正ができない」「課題は把握できても、解決手段がわからない」等の項目は、平均偏差値が高いほど多くなる傾向にあった。

 探究については「新型コロナ等の影響で想定どおりの探究学習ができていない」と回答した学校が51%と半数を超えた。探究の効果として期待していることは「学問への興味・関心の高まり」62%、探究の効果として実感していることは「他者と対話しながら学ぶ姿勢の習得」38%がもっとも多かった。期待と実感のギャップに注目すると、ギャップが大きい項目は「学問への興味・関心の高まり」「学習意欲の向上」「育てたい資質・能力の育成ができている」「授業改善」等だった。
《奥山直美》

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