文部科学省は2021年7月12日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)のオンライン化を検討する有識者会議の最終まとめ案を公表した。まずは、2024年度予定の次回調査を目途に、児童生徒質問紙調査のオンラインによる回答方式の導入を目指す。 全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループは、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)にあたり、学校パソコンを使用したオンライン調査として実施する場合に必要な準備や整理すべき課題についての専門的かつ技術的な検討を行うため、「全国的な学力調査に関する専門家会議」の下に、「全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ」を2020年4月に設置した。 全国学力テストのCBT(Computer Based Testing)化については、2021年度より約100校を対象に試行・検証を開始。規模は小学6年生と中学3年生の児童生徒約1万人にのぼる。国立教育政策研究所は、CBT化に向けた検討・準備の一環として、2021年10月に「教育データサイエンスセンター」を新設予定。今後、CBTへの移行や安定的な事業運営のため、同研究所の体制をさらに強化していくことが不可欠であると提言している。 全国学力テストは、全国同日一斉実施で行われており、CBTでも現行と同様に全国同日一斉で実施する場合、参加児童生徒数が約200万人と大規模であるため、サーバやネットワークの負荷はかなり大きくなる。CBT化にあたっては、一定期間内(複数日に分散)で実施することが適当だとしている。 これまでの検討を踏まえ、全国学力テストのCBT化は、段階的にその規模・内容を拡充させながら進め、2024年度の経年変化分析調査から順次導入することを提案している。 まずは、2024年度予定の次回調査を目途に、全児童生徒を対象に児童生徒質問紙調査のオンラインによる回答方式の導入を目指す。なお、毎年実施の学校質問紙調査は、すでに2016年度から学校の端末を用いたオンラインによる回答方式で行われている。