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埼玉県、学力調査をCBT化…9月から試行調査

 埼玉県教育委員会は2021年5月14日、埼玉県学力・学習状況調査についてCBT化に向けた試行調査を実施すると発表した。紙媒体からタブレット等でのCBT調査へ移行するため、9月に試行調査を実施。2024年度の全面実施を目指して、段階的に試行・実証を重ねていく。

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埼玉県学力・学習状況調査のCBT化に向けた試行調査について
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 埼玉県教育委員会は2021年5月14日、埼玉県学力・学習状況調査についてCBT化に向けた試行調査を実施すると発表した。紙媒体からタブレット等でのCBT調査へ移行するため、9月に公立小中学校9校で試行調査を実施。2024年度の全面実施を目指して、段階的に試行・実証を重ねていく。

 埼玉県では、2015年度より県内公立小・中学校等(さいたま市を除く)の小学4年生から中学3年生の児童生徒を対象にIRT(Item Response Theory、項目反応理論)を用いて「学力の伸び」を測ることができる埼玉県学力・学習状況調査を実施している。

 2021年度は、GIGAスクール構想による1人1台端末と学校ネットワーク環境が整備されたのにあわせ、紙媒体での調査からタブレット等を使ったCBT調査へ段階的に移行するための試行調査を9月に実施する。

 試行調査の実施校は、戸田市立芦原小学校、戸田市立美笹中学校、飯能市立加治小学校、飯能市立飯能第一中学校、深谷市立花園小学校、深谷市立花園中学校、三郷市立幸房小学校、三郷市立栄中学校、埼玉県立伊奈学園中学校の9校。児童生徒数は、小学校が4校で約1,400人、中学校が5校で約1,800人。実施日は、実施する学校ごとに設定する。

 埼玉県教育委員会では、CBT化のメリットに「思考力等を問う問題の提示」「より精緻なデータを取得・蓄積・分析」「結果返却までの時間短縮」「学校の負担軽減」「コストの削減」の5点をあげている。自動採点化の実現による採点速度の向上、調査資材(問題冊子等)の印刷・発送・受取り・回収・管理に係る手間や費用の軽減等が期待できる。また、「図形や立体、グラフを動かす」「動画や音声を使った問題」等、CBTならではの出題により、児童生徒の思考力等を深めることができるとしている。

 試行調査では、国語、算数・数学、英語(中学2~3年生のみ)の教科に関する調査、児童生徒への質問調査、学校・市への質問調査の他、児童生徒のキーボード入力の速さや正確性等に関する「キーボード入力スキル調査」も実施する。学校の端末とネットワーク環境を活用し、端末OSの種類や通信環境等、さまざまなパターンでCBT調査を行い、システムサーバーや通信回線に係る負荷、自動採点の実現、児童生徒の解答過程の取得等を検証していく。

 都道府県レベルでのCBT導入としては先進的な事例となり、学力の経年変化を把握できるCBTは全自治体初となる。今後は、安定的な実施に向けて試行・実証を重ね、段階的にCBT調査へ移行。2024年度の全面実施を目指す。
《奥山直美》

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