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プログラミング教育、2020年度実施率28.1%…保護者調査

 必修化された小学校での2020年度「プログラミング教育」について、保護者が実施を把握している割合は28.1%にとどまることが、くもん出版が実施した調査結果より明らかになった。「GIGAスクール構想」「Society5.0」の用語の理解度は2割弱であった。

事例 プログラミング
子供の通っている小学校・中学校では、2020年度にプログラミング教育を実施したか
  • 子供の通っている小学校・中学校では、2020年度にプログラミング教育を実施したか
  • 言葉の理解度
  • 2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されたことを知っているか
  • 学校教育におけるプログラミング教育とはどのようなものだと思うか
  • プログラミング教育はどの教科等で実施されたか
  • 小中学校でのプログラミング教育にどのくらい必要性を感じているか
  • 小中学校でのプログラミング教育に必要性を感じている理由
 必修化された小学校での2020年度「プログラミング教育」について、保護者が実施を把握している割合は28.1%にとどまることが、くもん出版が実施した調査結果より明らかになった。プログラミング教育に欠かせない「GIGAスクール構想」「Society5.0」という用語の理解度は2割弱であった。

 文部科学省は「これからの社会を生きていく子供たちにとって、将来どのような職業に就くとしても、コンピュータを理解し上手に活用していく力を身に付けることはきわめて重要」として、小学校でのプログラミング教育の必修化を決定。2019年12月には「GIGAスクール構想」を発表。プログラミングはこれまでにない学習になるため、学校現場や家庭で「プログラミングをどのように学ぶか」が課題となっている。

 学習教材や学習参考書など子供のためのコンテンツ開発事業を展開するくもん出版は、実態を把握するため、「小中学校におけるプログラミング教育」に関する調査を2021年1月21日~22日に実施した。対象は、全国の小学1年生から中学3年生の子供がいる30~40代の男女。601人の回答を得た。

 小中学校のプログラミング教育に欠かせない用語である「GIGAスクール構想」「Society5.0」について、「理解している」「やや理解している」と回答した割合は、「GIGAスクール構想」が19.1%、「Society 5.0」が17.6%。いずれも「理解していない(聞いたこともない)」「あまり理解していない」との回答が8割以上を占めた。

 2020年から小学校で「プログラミング教育」が必修化されたことについては、「知っている」37.8%、「なんとなく知っている」41.8%、「知らない」20.5%。プログラミング教育の存在は広く知られているものの、その意図や社会的背景が保護者層まで浸透していない実態がうかがえる結果となった。

 「学校教育におけるプログラミング教育とはどのようなものだと思うか」との問いには、60.7%が「パソコンを使って授業を行う」と回答。「『プログラミング』という教科を学ぶ」39.8%が続いた。本来、小学校のプログラミング教育は、「コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができること」を体験しながら、自分の意図する活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要なのかを論理的に考えていく力を養うことが目的。始まったばかりの「プログラミング教育」は、まだまだ誤解が多いようだという。

 「子供の通っている小学校・中学校では、2020年度にプログラミング教育を実施したか」という質問で「はい」と回答したのは全体の28.1%。「いいえ」は38.1%、「わからない」は33.8%であった。学年別では、小学6年生の実施率が48.8%ともっとも高かった。どの学年も「わからない」という回答が多く、保護者がプログラミング教育の実施を把握している割合は低かった。くもん出版は「保護者にとってまだプログラミング教育の実態が不透明であると考えられる」と分析している。

 プログラミング教育が実施された教科等は、「総合(総合的な学習の時間)」が32.5%ともっとも多かった。このほか、「算数(数学)」25.4%、「国語」17.8%、「技術・家庭科」16.0%、「英語」14.8%など、さまざまな教科にプログラミング学習が組み込まれていた。

 小中学校でのプログラミング教育について、「必要性を感じている」または「どちらかといえば必要性を感じている」と回答した人は74.4%。その理由には、「IT化が進んでいるから」75.2%、「論理的な思考力が身に付くから」47.9%、「グローバル化に対応できると思うから」45.0%などがあげられた。
《奥山直美》

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