文部科学省は2026年10月22日、「デジタルな形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議(第6回)」を開き、指針の策定に向けた素案を議題とする。これまでの会議では、小学校低・中学年で紙の学習を基本とする意見や、教科の特性と子供の発達段階に応じて紙とデジタルの比重を検討する論点が示されている。
同会議では、2030年度の新たな教科書の導入を見据え、デジタルを取り入れる学年や教科のあり方などについて検討している。8月18日に開かれた第5回会議では、紙とデジタルがそれぞれ効果的な学習場面や、子供の発達段階に関するこれまでの意見について整理した。
発達段階については、認知処理能力が未発達な小学校低・中学年では紙の学習を基本とする意見を紹介。一方、高学年以降、自律的な学びができるようになる段階では、デジタルの活用も効果的になるのではないかとの意見を示した。採択権者への意向調査でも、小学校低・中学年では、紙とデジタルを組み合わせる形態のうち、紙に比重を置いた構成を望む回答が多かったと説明している。
これらを踏まえ、文科省は、すべてがデジタルの教科書の対象を一定学年以上に限定することや、紙とデジタルを組み合わせる場合も、教科・学年によって望ましい構成が異なるのではないかと論点を提示した。すべてがデジタルの教科書は小学校高学年以上とし、特に英語などの実技系の教科に限定することが望ましいとの意見が出された。
中学校については、紙とデジタルを組み合わせる形態を基本とすることを提案。英語の音読・発音練習や理科のシミュレーションなどにはデジタルの強みがある一方、国語の長文読解や社会の複数資料の比較では、紙の一覧性や書き込みやすさにも価値があるとの指摘があった。
一方で、国語の説明文を題材に、端末画面への書き込みを生かした学習事例も紹介された。紙とデジタルを組み合わせる形態を、紙の本文と2次元コードだけに限定せず、画面に書き込める可能性を残すことが望ましいとの意見もあがった。教科や学年に加え、学習内容・場面に応じた活用も議論された。第5回会議では、全学年・全教科で紙とデジタルを組み合わせる形態を基本とし、学習活動に応じて両者の比率や使い方を変えることが望ましいとの意見も出された。
また、文科省が9月18日に公開したインタビューでも、担当の教科書課長が、当面、小学校4年生以下では完全デジタル型教科書を認めず、5年生以上でも国語・社会・道徳など、紙で学ぶ重要性が高い教科では、完全デジタル型教科書を認めない方向で検討していると説明。教科書へのAI導入については、整理が必要な課題が多く、実証研究などを進めながら可能性を探るとしている。
10月22日の第6回会議は午後3時半から午後5時半まで開催する。指針の策定に向けた素案に加え、2027年度概算要求、情報活用能力、教科用図書検定調査審議会における検討状況を取り上げる。会議資料は開始までに文科省のWebサイトに掲載される予定。一般向けにYouTubeでの配信も行われ、前日の10月21日正午まで、文科省Webサイトの傍聴受付フォームにて登録を受け付ける。








