文部科学省は2026年6月19日までに、2025年度(令和7年度)学習者用デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業について、成果報告書や授業改善事例集、研修事例集、事例動画を公開した。文部科学省Webサイトなどから見ることができる。
文部科学省では2019年(平成31年)4月から、一定の基準のもと必要に応じ、学習者用デジタル教科書を紙の教科書と併用し、段階的に導入を進めている。2024年度(令和6年度)からは、すべての小中学校等で、小学校5年生から中学校3年生に対して英語のデジタル教科書を提供。今後、算数・数学などの教科でも、学校現場の環境整備や活用状況などを踏まえながら段階的な提供を予定している。
2025年度はこれらの状況を踏まえ、児童生徒の学びの充実や障害などによる学習上の困難の低減となるよう、すべての小中学校等を対象に、英語など一部教科の学習者用デジタル教科書を広く提供し、普及促進に向けた実証事業を実施。同事業では、小学校2校と中学校3校を「実証研究校」として選定し、外国語、算数・数学、国語、理科、社会の5教科で、有識者の指導助言のもと、デジタル教科書をはじめとするICT機器などを用いた授業改善に取り組んだ。
成果報告書は、「デジタル教科書の効果・影響の把握に資する大規模アンケート調査等」「市町村教育委員会および実証研究校における授業改善に関する調査研究」「都道府県教育委員会における研修に関する調査研究」の3種類。事例集は「学習者用デジタル教科書 授業改善事例集」「学習者用デジタル教科書 研修事例集」の2種類。
「学習者用デジタル教科書を活用した実践事例」の動画は、文部科学省の公式YouTubeチャンネル「mextchannel」で6月22日現在、「理科/社会」「算数・数学/国語」の2本を公開している。
このうち、教師・児童・生徒を対象に2025年11月12日~12月24日に実施した「デジタル教科書の効果・影響の把握に資する大規模アンケート調査等」によると、学習者用デジタル教科書の使用頻度は年々高まっており、2025年度は「毎授業で使用」28.4%、「4回に3回程度は使用」14.6%、「半分程度は使用」14.3%、「4回に1回程度は使用」10.4%、「4回に1回未満」32.2%だった。また、デジタル教科書の使用歴が長く使用経験が重なるほど、デジタル教科書および、デジタル教科書と学習支援ソフトを組みあわせた使用頻度が高い傾向もみられた。
デジタル教科書による授業改善の効果については「学習内容を視覚的に確認する場面」55.0%がもっとも多く、紙の教科書ではできなかった(しにくかった)ことができるようになったと感じていることがわかった。
一方、デジタル教科書を使用するにあたっての課題感は、「導入に係る設定作業(ユーザーIDやパスワードの割り振りなど)」41.7%、「フリーズ、エラーへの対処やログインの手間、ページめくりの遅さなどから使いづらい」37.8%、「学習者用デジタル教科書の効果的な活用方法についての情報が不足している」32.0%の順に多かった。
成果報告書ではアンケート調査結果のほか、各実証校・地域・教育委員会などの取組みを紹介。授業改善事例集では授業実践の概要、研修事例集では各教育委員会が実施した研修の内容や成果、事例動画では実証校の実践のようすを取り上げている。









