文部科学省は2026年6月18日、「デジタルな形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議(第2回)」を開催した。会議では、教科や学習場面ごとの紙・デジタルそれぞれの効果的な活用方法について議論したほか、2030年度から導入予定の新たなデジタル教科書制度に向けた検討状況を共有した。
会議では、紙・デジタルがそれぞれ効果的な活用場面について、全日本中学校長会や全国国立大学附属学校連盟、日本私立小学校連合会、全国都道府県教育委員会連合会などの意見を整理。英語では音声機能を活用したリスニングやスピーキング学習、算数・数学では図形やグラフを動かしながら理解を深める学習などで、デジタルの有効性が高いとの声が示された。一方、国語の長文読解や物語文の学習では、全体を俯瞰して読んだり、複数ページを見比べたりする場面で紙媒体の利点が大きいとの意見が紹介された。
また、理科ではシミュレーションや実験器具の使い方を動画で確認できる点でデジタルが評価される一方、実際の実験による気付きや感動も重要であり、デジタルは補助的に活用すべきとの意見があがった。各団体からは、教科によって紙かデジタルかを単純に分けるのではなく、学習内容や場面に応じて使い分けることが重要だとする考え方が示された。
会議ではあわせて、6月に成立した改正学校教育法を踏まえた制度整備の状況も報告された。国会審議では、すべてがデジタルの教科書(フルデジタルの教科書)について、発達段階や教科特性を踏まえて対象を限定する考え方が示されており、文部科学大臣は「現時点では小学校4年生以下や国語、社会、道徳などは(フルデジタル教科書を)認めるべきではない」と説明している。一方、紙とデジタルを組み合わせたハイブリッド型の教科書については、幅広い教科で活用が想定されている。
文部科学省は今後、健康への影響や児童生徒の発達段階、書く力との関係、諸外国の動向などについても議論を進める予定。検討会議での議論を踏まえ、秋ごろまでに大臣指針を取りまとめ、2030年度からの新制度導入に向けた準備を進めるとしている。









