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教育DXは「チーム千葉」で加速する…内田洋行が支える校務・学習・インフラの先進事例

 内田洋行は、2026年1月15日、千葉県文化会館にて、千葉県内の教育ICTの現在と未来を考えるイベント「EduNEXTちば~つながる学びの架け橋~」を開催した。

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教育DXは「チーム千葉」で加速する…内田洋行が支える校務・学習・インフラの先進事例
  • 教育DXは「チーム千葉」で加速する…内田洋行が支える校務・学習・インフラの先進事例
  • 内田洋行 執行役員 教育ICT事業部 事業部長 山口 裕志氏
  • 会場内に設置された展示のようす(Future Class Roomのブース)
  • 千葉県教育庁教育振興部 学習指導課 主幹 兼 ICT教育推進室長 生田勲氏
  • 現場目線での校務支援システムに対する期待
  • 「L-Gate」の活用とデータ連携によるメリット
  • 「L-Gate」やMEXCBTの活用ロードマップを提示
  • 各システムと名簿連携やシングルサインオンなど国際技術標準でつながるしくみ

 内田洋行は2026年1月15日、千葉県文化会館にて、千葉県内の教育ICTの現在と未来を考えるイベント「EduNEXTちば~つながる学びの架け橋~」を開催した。

 GIGAスクール構想による「1人1台端末」の整備が一巡し、「NEXT GIGA」とよばれる端末更新のフェーズを迎える中、教育現場では機器の導入から、“利活用”と“データ連携”へと関心が移っている。本イベントでは、千葉県内の教育委員会や学校現場のリーダーたちが登壇し、学校向け 学習eポータル「L-Gate」や統合型校務支援システム「デジタル校務」を活用した具体的な実践事例を共有した。自治体の枠を超え、県全体で教育DXを加速させようとする熱気に包まれた当日の模様をレポートする。

千葉県の教育基盤を支える内田洋行の狙い

 冒頭、内田洋行 執行役員 教育ICT事業部 事業部長の山口裕志氏は、本イベント開催の背景について、「千葉県内の自治体や学校が、同じシステム基盤を利用しているメリットを最大限に生かし、先進事例を共有いただく機会を作ることで千葉県全体の教育を盛り上げていきたい」と語った。

内田洋行 執行役員 教育ICT事業部 事業部長 山口 裕志氏

 学習eポータル「L-Gate」は千葉県内の約83%の自治体で採用されており、県立高校においては全校導入が進められている。県単位での全校導入は、全国でも千葉県と秋田県など数例に限られる先進的な事例だ。これは、義務教育段階から高等学校まで、同一のプラットフォームで学習データや操作性をシームレスに接続できる可能性を示唆した、千葉県の教育DXを象徴する取組みと言える。

 さらに、各県におけるICT環境整備を内田洋行は積極的に支援しており、「NEXT GIGA」に向けた小中学校の共同調達においても、2025年度中に県内約16自治体へ約9万5,000台のPC導入が計画されている。また、千葉市教育委員会向けには、2024年12月に市内全公立小・中学校計169教室のPC教室を、アクティブ・ラーニング等に対応した未来の学習空間「Future Class Room」へと改装を実施するなど、ハード・ソフト両面で千葉県の教育環境を支えている。

 山口氏は「多くの自治体が同じ環境にあるからこそ、先進的な活用事例を共有することで、千葉県全体の教育の質を底上げできる」と強調した。会場には、講演で触れられた「L-Gate」や「デジタル校務」、さらには未来の学習空間「Future Class Room」のソリューションを体験できる展示ブースも設置され、休憩時間には多くの教育関係者が熱心に情報収集を行う姿が見られた。

会場内に設置された展示のようす(Future Class Roomのブース)

県内各地で進む“つながる”実践

 イベントでは、県教育委員会、各市教育委員会、学校現場、そして企業の視点から、計7つのテーマで講演が行われた。

『千葉県の教育DXの展望について』
講演者:千葉県教育庁教育振興部 学習指導課 主幹 兼 ICT教育推進室長 生田勲氏

 基調講演に登壇した生田氏は、「デジタル学習基盤と生成AIの整備・活用」をテーマに、千葉県が目指す教育DXのビジョンを語った。

 生田氏は、「ITは生活を劇的に変化させるもの」と述べ、ツール導入で終わらせず、教育活動そのものの変革が教育DXには必要だと訴えた。

 DXの定義について生田氏は、音楽鑑賞時の変化を例にあげ、「レコードからCDに(メディアが)変わるのは『デジタル化』だが、ストリーミングサービスやAIリコメンドによって音楽の聴き方や出会い方そのものが変わることが『DX』である」と解説。学校教育においても、教材がデジタルになるだけでなく、授業や学びのスタイルそのものが進化することが重要だと説いた。

 また、県立学校において「L-Gate」を基盤とし、生成AIツール(Copilot、Canva、Adobe Firefly等)へシングルサインオン(SSO)でアクセスできる環境を整備したことを紹介。これにより、教員や生徒が安全かつ手軽に先端技術を活用できる環境が整いつつある。最後は「教育DX 成功のための秘訣」で講演を締めくくり、デジタル基盤整備の重要性を強く印象付けた。

千葉県教育庁教育振興部 学習指導課 主幹 兼 ICT教育推進室長 生田勲氏

『学校現場をもっと便利に!鴨川市の「デジタル校務」活用術』
講演者:鴨川市教育委員会 学校教育課 指導主事 立野幹夫氏・ICT教育指導員 吉田洋一氏

 鴨川市からは、統合型校務支援システム「デジタル校務」を徹底的に使い倒すための“現場目線”の工夫が紹介された。

 同市では、グループウェア機能(掲示板・メール)を積極的に活用し、情報の集約とペーパーレス化を推進しているが、導入当初は利用率が伸び悩んだという。そこで、PC起動時に必ず校務支援システムが立ち上がる「スタートアップ設定」を施し、職員の閲覧習慣を定着させた。

 特筆すべきは、現場の要望に応じた帳票のカスタマイズだ。Wordの差し込み印刷やExcelのマクロ機能を活用し、保健室の利用記録や通知表などを市独自、あるいは学校独自のニーズにあわせて柔軟に修正・運用している。さらに、Excelのマクロを活用して学校ごとの年間行事予定データを「デジタル校務」に取り込むなど、教職員の負担軽減に向けた具体的なテクニックも披露された。

 これらのカスタマイズのノウハウは他自治体とも共有可能であり、実際に近隣自治体等と様式を統一する動きもあるという。立野氏は「自治体間で知恵を共有しあうことが働き方改革につながる」と述べた。

現場目線での校務支援システムに対する期待

『「つながる」校務DX~柏市のデジタル校務×「L-Gate」名簿連携~』
講演者:柏市教育委員会 学校教育部 指導課 指導主事 丸山慧氏

 柏市の丸山氏は、校務支援システムと学習eポータル「L-Gate」の名簿連携による業務効率化の実例を報告した。

 従来、新年度にクラス替えや転入があった際には、各アプリケーションごとにCSVファイルを作成してアカウント登録を行う必要があり、現場の大きな負担となっていた。しかし、デジタル校務の名簿データを「L-Gate」へ夜間に自動連携する仕組みを構築したことで、学校側で名簿を更新すれば、翌日には各種学習アプリや連絡システムが即座に利用可能になったという。

 さらに柏市では、この連携を庁内の他部署にも拡大している。たとえば、学校給食課とは給食費の自動引き落とし計算のためのデータ連携を、教職員課とはQRコードを用いた勤怠管理システムとの連携を実現している。丸山氏は「つながることで業務削減と人的ミスの削減が実現した」と述べ、データ連携がもたらすメリットを強調した。

「L-Gate」の活用とデータ連携によるメリット

『現場発!「L-Gate」とMEXCBTで広がる学びの可能性』
講演者:君津市立小糸小学校 教頭 三平大輔氏

 三平氏は、文部科学省のCBTシステム「MEXCBT(メクビット)」を、「L-Gate」経由で日常的に活用する実践を紹介した。 多くの学校が全国学力・学習状況調査のときにだけ利用する中、同校では朝学習や家庭学習で積極的に活用している。三平氏は、既存の問題を利用するだけでなく、自らオリジナルの問題(独自作成問題)を作成・配信しているという。

 講演では、理科の実験動画を見ながら答える問題や、英語の音声をiPadに録音して回答するスピーキング問題など、CBTならではのマルチメディア機能を生かした自作問題が披露された。三平氏は「まずは教員が使ってみることが大切。「L-Gate」を使えば、全国の良質な問題に簡単にアクセスできる」と呼びかけ、CBTが特別なイベントではなく日常のツールになり得ることを示した。

「L-Gate」やMEXCBTの活用ロードマップを提示

『こころの変調を早期発見!L-Gate「毎日の記録」のご紹介』
講演者:内田洋行 地域デジタル化推進部営業推進1課 広野健氏

 内田洋行からは、「L-Gate」の標準機能である「毎日の記録」の活用法が紹介された。 これは、児童生徒が毎朝、天気や顔のアイコンを使ってその日の気分や体調を入力するシンプルな機能だ。継続的にデータを蓄積することで、教員は子供たちの小さな変化やSOSの予兆を早期に発見できる。

 講演では、千葉県旭市の事例として、独自の質問項目を設定し、いじめや不登校の予兆検知に役立てているケースが紹介された。特別なアプリを追加導入せずとも、学習の入り口であるポータルサイトで健康観察まで完結できる利便性がアピールされた。

 また、「L-Gate」は、MEXCBT、校務支援システム、各種学習教材・学習アプリケーションなどを、1EdTech協会が定める国際技術標準に基づいて連携する、デジタルエコシステムの構築を目指していることのビジョンが説明された。

各システムと名簿連携やシングルサインオンなど国際技術標準でつながるしくみ
学習系・校務系の情報を見える化するデータ連携のしくみ

『ICT支援員×先生でGIGA端末のさらなる活用へ!』
講演者:印西市教育委員会 印西市教育センター 指導主事 橋本一哉氏

 人口増加が続く印西市からは、ICT支援員の戦略的な活用事例が報告された。

 橋本氏は、ICT支援員を単なる操作補助人員ではなく、「授業改善の伴走者」と位置付けている。 同市では、全支援員と教育委員会がGoogle Chatで常時接続されており、現場のトラブルや成功事例をリアルタイムで共有する「爆速レスポンス」の体制を構築している。

 また、夏休みには教員向けの個別相談会を実施し、教員からの満足度100%を達成するなど、教員のスキルやニーズにあわせたきめ細かな支援を行っている。 橋本氏は「ICT活用は目的ではなく、人と人がつながるための基盤。支援員と先生がチームになり、ともに取り組むことが、DXを加速させる」と語った。

Google Chatでの共有体制や支援員同士の連携について強調

『教員研修と新たな学びの空間「Future Class Room」の活用』
講演者:千葉県総合教育センター 主席研究指導主事 岡松英雄氏

 イベントの最後を飾ったのは、千葉県総合教育センターの岡松氏だ。同センターに整備された未来の学習空間「Future Class Room」を活用した教員研修について紹介した。

 内田洋行が構築支援を行ったこの空間には、可動式の机や椅子、大型提示装置、さらにはeスポーツやVR(仮想現実)を体験できる設備までが整えられている。岡松氏は、自身がかつて米国シアトルの学校を視察した際、1人1台端末を活用した個別最適な学びがすでに定着していたことに衝撃を受けたエピソードを披露。日本の学校教育を変えるためには、まず教員自身が未来の教室環境を体験することで、マインドセットを変える必要があると強調した。

 「従来の学校の常識にとらわれない空間で研修を行うことで、先生方の意識変革を促していきたい」と語り、研修のあり方自体もアップデートしていく必要性を訴えた。

事例共有が拓く、千葉の教育の未来

 本イベントを通じて浮き彫りになったのは、ICT機器やシステムは「導入して終わり」ではなく、それをどう「つなぎ」、どう「使い倒す」かというフェーズに入っているという事実だ。

 「つながる学びの架け橋」は、自治体の垣根を越えた「チーム千葉」としての教育DXを加速させる重要な一歩となったと言えるだろう。今後、これらの先進事例が県内、そして全国へと波及していくことが期待される。

学校向け 学習eポータル「L-Gate」内田洋行の校務支援システム・教育委員会事務について
《足立 陸》

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