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東大発スタートアップも参画…文科省「教育特化の生成AI実証研究」

 東大松尾研発のスタートアップ企業「Spark+(スパークプラス)」は2025年10月3日、文部科学省「学びの充実など教育課題の解決に向けた教育分野特化の生成AIの実証研究事業」に採択されたTBSホールディングスのパートナーとして、実証研究に参画すると発表した。

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東大松尾研発スタートアップSpark+がTBSホールディングスの実証研究に参画
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 東大松尾研発のスタートアップ企業「Spark+(スパークプラス)」は2025年10月3日、文部科学省「学びの充実など教育課題の解決に向けた教育分野特化の生成AIの実証研究事業」に採択されたTBSホールディングスのパートナーとして、実証研究に参画すると発表した。

 生成AIは、ひとりひとりにあった個別最適な学習コンテンツの生成・提供などの可能性を秘めている一方で、汎用基盤モデルのみでは十分な実証ができず、教育分野に特化させるための多角的な検討が必要とされている。文部科学省は「学びの充実など教育課題の解決に向けた教育分野特化の生成AIの実証研究事業」の2025年度事業者として、TBSホールディングス、コニカミノルタジャパン、東京書籍など5社を採択。教育分野に特化したモデルやサービスの開発を通じて課題解決の可能性を検証する予定だ。

 東大松尾研発のスタートアップ企業Spark+は、製造業を中心にAIエージェントを実装する知見を生かし、教育分野においてTBSホールディングスと技術開発を担う。ニュース記事と教科書データを関連付けるマルチエージェントシステムの開発や、ニュース検索、学習支援、安全性検知などを行うシステムを開発する予定。これにより児童生徒が関心をもつ学習リソースを動的に提示し、実社会に関連する学びで学習意欲の向上を図る。

 また、児童向けに不適切な内容をフィルタリングする仕組みも実装し、教育現場での安全な学習体験を提供する。これらの技術は、Spark+がもつエージェント基盤ORIONのRAG技術を応用した基盤上に構築されるもので、授業現場に即した柔軟な拡張が可能だという。

 実証研究期間は2025年9月から2026年2月末まで、埼玉県行田市、千葉県印西市、東京都渋谷区、高知県須崎市、鹿児島県肝付町、兵庫県芦屋市の教育現場で予定されている。プロジェクトを通じて、実社会に関連する学びを児童生徒の発達段階や興味関心に最適化して提供し、児童生徒の学習意欲向上や主体的な学びを促進する。

 Spark+の本田純平社長は、「今回のプロジェクトは、当社の高い実装力をもつAIエージェント技術を教育分野へ応用する新たな取り組みです。私たちは生成AIを活用した探究学習支援を通じ、児童生徒ひとりひとりの『深い学び』を実現し、教育分野の革新に挑戦します」とコメントしている。

《風巻塔子》

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