あべ文部科学大臣は2025年4月11日の会見で、高校生のための修学支援に関する新しいリーフレットを公開したと発表した。また、大阪・関西万博の教育的意義と懸念、海外の優秀な研究者の獲得競争と研究者の処遇などについて言及した。
高校生のための修学支援に関するリーフレットは、いわゆる高校無償化に関するもので、2025年度から実施される先行措置について、都道府県や学校、保護者にわかりやすく周知することを目的としている。
具体的には、高等学校等就学支援金の所得制限の一部を事実上撤廃し、年収910万円以上の世帯の高校生に対して、高校生等臨時支援金として年間11万8,800円を支援する予定だ。さらに、授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金も拡充予定で、対象となる生徒に支援が行き渡るよう、SNSなどを活用して積極的な情報発信に取り組むという。
大阪・関西万博は4月13日に開幕。あべ文部科学大臣は、修学旅行等における事故防止と安全確保が不可欠であるとし、経済産業省がメタンガス対策を含む安全対策を講じることを確認した。また文部科学省は関係省庁と連携し、都道府県教育委員会を通じて情報提供と対応に努めるとしている。
さらに、あべ文部科学大臣は、国内のトップアスリートの活動拠点であるハイパフォーマンススポーツセンターを訪問・視察した際に、アスリートから指摘された遠征費や競技用具の費用負担についての課題について、競技団体と連携し、競技力向上に必要な予算の確保に取り組むと述べた。
また、米国の科学研究者が予算削減の影響で研究拠点を海外に移す動きがある中、文部科学省は、優れた人材の育成と獲得が不可欠であるとし、国際共同研究や世界トップレベルの研究拠点の整備を進めている。給与水準の問題についても、研究者が日本で研究したいと思える環境の整備が重要であると認識しており、今後、審議会の検討も踏まえ、科学技術イノベーションを担う研究者の確保と同時に活躍促進に向けた取組みを強化する方針である。