渋谷区教育委員会と一般社団法人シブタン(シブヤ探究Lab)は、渋谷区教育大綱に掲げる「つくろう。ちがいを活かし合える、未来の学校。」の実現に向け、保護者、地域、企業等との連携を強化するための協定を締結した。この協定により、渋谷区立幼稚園・小学校・中学校と地域・企業との連携が一層推進され、探究的な学びを実現するエコシステムが構築される。
同協定の目的は、学校・行政・PTA・地域・企業との連携を通じて、子供たちの学びを街全体で支えることにある。具体的には、区立学校と地域・企業等とのコーディネート支援や、企業が提供する学習プログラムの調整、学習発表会の企画・実施の支援が行われる。これにより、学校と地域、企業との連携が深まり、教育活動がより充実することが期待される。
探究「シブヤ未来科」は、2024年4月から渋谷区の公立小中学校でスタートした。午前中は通常の授業を行い、午後を中心に子供主体の探究の学びが展開される。文部科学省の「授業時数特例校制度」を活用し、総合的な学習の時間を全区立小・中学校で拡充している。これにより、子供たちが自ら学びを創る授業が実現され、地域や企業とのコラボレーションを通じて、感動や発見を創出することが目指されている。
探究「シブヤ未来科」がスタートした背景には、AIやDXの進化、グローバル化の進行など、社会構造の変化がある。これにともない、従来の学校教育で求められていた人物像から、「問題発見力」「創造力」「挑戦力」をもつ人材が求められる時代が到来している。渋谷区では、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させ、新しい教育を進めている。
2025年3月12日には、子供たちの学びの集大成として「探究フェス発表会」が国立代々木競技場第二体育館で開催される。渋谷区立全校の生徒・教員が一堂に集まり、保護者や企業、教育関係者を迎えて、生徒たちの発表や教育専門家による講演会が行われる予定である。
一般社団法人シブタンは、子供たちの学びを支える応援団として、区立小中学校のPTAの有志が設立した団体である。探究「シブヤ未来科」の拡充にあわせて、地域・企業・団体との連携を促進し、渋谷の街全体を学びのフィールドにした「探究的な学び」を実現するエコシステムを構築することを目的としている。
この協定締結により、渋谷区の教育環境はさらに充実し、地域資源を活用した教育活動がより豊かになることが期待される。シブタンとの連携を通じて、子供たちの学びの場がより豊かになり、未来を担う人材の育成に寄与することが目指されている。