GIGAスクール構想による1人1台端末の利活用が全国で進む中、次フェーズとなるGIGAスクール構想第2期(以下、GIGA第2期)に移行しつつある。GIGA第2期では、都道府県単位での共同調達による端末の計画的な更新や、端末故障時に備えた15%程度の予備機の整備といった方針が示される中、端末整備をどのように進めるべきか検討中の自治体も多いのではないだろうか。
GIGA第1期で明らかになった課題のひとつに、端末の故障や劣化、修理対応による管理業務や費用の負担があげられる。GIGAスクール構想を進める学校現場の課題を解決するためのソリューション提供にも取り組むSB C&Sによると、GIGA第1期の端末の故障率は自治体により差はあるものの5年間で約3割程度にのぼると言われているという。そこで同社はGIGA第2期に向けて、GIGA端末の延長保証サービス「えんちょー先生」と、予備機をしっかり活用し追加機器購入の心配なく端末運用ができるGIGA2.0限定特別サービスを打ち出した。
SB C&S GIGAスクール構想担当の野坂氏に端末の延長保証サービス「えんちょー先生」の概要や導入するメリットについて話を聞いた。

「えんちょー先生」のサービス概要とその特徴
--端末延長保証サービス「えんちょー先生」について教えてください。
「えんちょー先生」は、SB C&Sがソリューションパートナーと共にご提供する、文教向け学習端末の延長保証サービスです。WindowsやiPad、Mac、Chromebook、ほとんどの主要メーカー端末でご加入いただけます。自然故障や水濡れ、破損、盗難・紛失などのリスクに幅広く対応しており、ほかの延長保証サービスでは一般的な、回数制限や金額上限がないことが大きな特徴です。

また、端末本体だけでなく、ACアダプタや付属ケーブルなど、端末の付属品まで標準の保証対象としています。さらに、周辺機器も保証対象とする等のオプションを用意しており、きめ細かく手厚い保証内容となっています。
--保証の範囲がとても広いですね。周辺機器への保証以外に、どのようなオプションがありますか。
ベーシックな「えんちょー先生」に加え、修理後の再キッティングまでをパッケージングした「えんちょー先生PLUS」があります。GIGA端末は、電源を入れるだけですぐに使用できる状態にするキッティング作業が必要となりますが、修理された端末は初期化されて戻ってくる場合が多く、再度キッティングを行わなければいけません。そのため、修理を終えてから端末を使用できる状態にするまでにタイムロスが発生してしまうのです。「えんちょー先生PLUS」では、再キッティングが完了した状態で納品しますので、修理後スムーズに端末を利用できるようになります。
また、複数台の端末を修理に出す際の一括引取りもオプションで選ぶことができます。
利便性と柔軟性がポイント、現場に即したサービスを提供
--「えんちょー先生」の魅力はどのような点にあるのでしょうか。
最大の魅力は「利便性」と「柔軟性」だと考えています。紛失や盗難にあった際、多くの端末保証サービスでは書類作成や捺印、写真撮影等が必要となる場合があります。しかし「えんちょー先生」では、専用フォームに情報を入力するだけで申請が完了します。手続きの手間が非常に少ないため、現場の負担を大幅に軽減することができます。
また、専用フォームに入力後、修理する端末を着払いにて指定の場所にお送りいただければ、あとはすべてえんちょー先生事務局が対応します。送られてきた機器の状態を確認し、修理切り分けを行います。
初期化等で症状が改善すればこの時点で返送し、改善しない場合はメーカー正規修理窓口との対応やメーカーへの発送もすべて対応するため、学校の先生や教育委員会の担当者がメーカーとやり取りをする必要はありません。もちろん修理は1台から受け付けています。

柔軟性という面においては、先ほどもお話ししましたが、保証の範囲が広いことと、充実したオプションプランにより、さまざまなご要望にお応えできるという点です。たとえば、端末自体にタッチペンが組み込まれているモデルでは、タッチペンも通常のえんちょー先生の保証対象となりますが、端末とは別に購入したタッチペンやキーボードなどは、オプションで保証を付けることも可能です。それぞれのニーズにあった形で使いやすくカスタマイズできる点は、メリットと感じていただけると思います。
--現場のニーズにあわせて保証内容を柔軟に選べるのは嬉しいですね。えんちょー先生のプランや費用について教えてください。
えんちょー先生、えんちょー先生PLUSともに、加入対象は新規導入の端末のみとなります。すでに導入済みの端末は加入対象とならないため、購入から半年後に「やっぱり保証が必要だ」と希望されても、残念ながらご加入いただくことはできませんのでご注意いただきたいです。ただし新規導入時にえんちょー先生に加入し、その後に同じ機種を追加購入した場合は、保証の終了日を同一にするという条件で追加加入することができます。

契約期間は1年単位で最長5年、端末のリプレースサイクルや高校3年間、大学4年間保証をつけたいという場合にも対応しています。複数年一括契約の場合、契約期間中の料金変更はありません。年度ごとに予算を確保される自治体も多いと思いますので、1年ごとの契約更新も可能です。その場合も更新は最長5年まで、更新時には料金が見直される場合があります。ただし、更新期間を過ぎた後の再加入はできません。
料金は、端末の種類や台数に応じて個別に算出します。たとえばGIGA第2期標準モデルのWindows端末の場合、1台あたり月額350円から(最安メーカーの場合の金額となります。価格はご導入端末メーカーにより異なります)、5年間で2万円からの利用料金となり、単価×端末台数がおおよその加入料金となります。もちろんGIGA第2期対象モデル以外の端末や、高校・大学で使われるハイスペックの文教モデルもご加入いただけます。すべて個別に見積りいたしますので、疑問や質問、参考価格、自分の学校や自治体ではどのような保証内容になるかなど、気になる点はぜひお気軽に窓口までお問い合わせください。
GIGA第2期限定の特別保証サービスで保証費用を最適化
--GIGA第2期に特化した特別保証サービスも提供されるそうですね。特別保証サービスについて教えてください。
GIGA第2期限定の新プラン「えんちょー先生 特別保証サービス」は、基本的なサービス内容は「えんちょー先生」および「えんちょー先生PLUS」と同じですが、年間故障率に応じた年間故障対応台数を定めるため、通常のえんちょー先生にご加入頂くよりも安価にご採用頂けるお得な延長保証サービスです。
GIGA第2期では文部科学省の方針に基づき、端末総数の最大15%を「予備機」として確保することが可能です。一方で、GIGA第1期における端末の故障率は5年間で約3割程度と言われております。つまり、第1期の故障率からこの先の5年間を考えると、15%の予備機だけでは端末が足らず、15%程度が不足する計算になります。
その不足すると予想される故障台数に備え、必要な分だけ保証を付けられるのがGIGA第2期限定の新プラン「えんちょー先生 特別保証サービス」です。予算の限られた自治体では、通常の延長保証をすべての端末に付けることや、故障により不足した分の端末を追加で購入するのは、非常に厳しく、現実的ではありません。そのような背景から、「GIGA1期の故障率を参考に必要な台数をカバーできる保証を付ける」特別保証サービスをGIGA第2期限定で開始しました。
さらに、通常のえんちょー先生では対象外となるバッテリー摩耗についても、特別保証サービスでは保証の対象内となり、バッテリー交換も可能です。内容を充実させ、かつ故障対応時の免責金額などの負担もないため予算や状況にあわせてご利用いただけます。
「えんちょー先生 特別保証サービス」の利用イメージは
--自治体や学校にとって非常にメリットのあるご提案ですね。具体的な契約年間故障率はどのように算出したら良いのでしょうか。
たとえば、自治体全体で新規端末を1万台導入する場合、GIGA第1期の実績から年間の故障率を算出します。1年間の故障率が8%だとすると、1年間で800台、5年間で4,000台が故障するリスクがある(故障率40%)と算出できます。GIGA第2期では15%の予備機があるため、4,000台のうち1,500台は予備機で補填が可能です。すると、残りの2,500台に対して保証を付けられれば、GIGA第2期の5年間で予測される故障に対応できるということになります。

5年間で2,500台、つまり1年間に換算すると500台、年間故障率は5%です。このように実績をもとに、3%、4%、5%、…と自治体にあったプランをお選びいただくことが可能です。また、特別保証サービスは繰越しができる点がポイントです。繰越しは5年一括契約のみ適用となりますが、年間500台分の保証を契約し、1年目は300台しか修理に出さなかった場合、残りの200台分は翌年度に繰越しが可能です。この仕組みにより、無駄なく保証を活用でき、5年間トータルで想定される故障台数分を問題なくカバーできる想定になります。
--保証を必要な分だけに絞ることで、コスト削減も期待できるのでしょうか。
はい。特別保証サービス最大のポイントはコスト削減にあります。通常のえんちょー先生では、故障対応回数や金額に上限はありません。導入台数すべてが故障することはありませんが、導入した端末すべてに保証を付ける必要があり、多くの費用が発生します。一方で、特別保証サービスでは、「GIGA1期の故障率を参考に、必要な故障台数をカバーできる保証を付ける」ことになりますので、通常のえんちょー先生と同様に導入した端末すべてに保証を付けられるうえに、通常のえんちょー先生より費用も抑えられます。予算に余裕がない自治体でも、必要最低限の保証を導入することが可能になりますし、故障率の低い自治体ほどコストを抑えられる仕組みになっています。
実際、GIGA第1期では保証を付けたくても予算が厳しくて付けられない自治体が多くありました。2~3年後、端末が故障したときに同じスペックの端末が追加購入できなかったり、価格などの面で同条件で購入できなかったりといったケースがみられました。こうした経験を踏まえ、GIGA第2期では現場の負担を最大限削減しながら、自治体や学校のニーズに沿ったサービスが展開できないかと考え、低コストかつ安心の保証を提供できる体制を整えました。
--特別保証サービスの費用について教えてください。
端末メーカーやOS、想定する故障率によって異なります。たとえば、GIGA第2期モデルのWindows端末の場合、年間故障率5%で契約すると1台あたり月額300円から、5年間で1万8,000円からの価格設定となります。これが年間故障率3%の場合は、1台あたり月額172円から、5年間で1万320円からの価格設定となります。詳細はお気軽にお問い合わせください。

--最後に、端末更新の計画を進めている教育委員会や自治体に向けたメッセージをお願いします。
えんちょー先生、特に今回GIGA第2期限定で打ち出した特別保証サービスは、端末更新を控えているすべての自治体にお勧めしたいサービスです。過去に端末故障で苦労した自治体や、予算が少なくて困っている自治体には大きなメリットを感じていただけると思います。教育現場のニーズに応じた賢い保証の仕組みとして、予算面でも運用面でも多くの自治体の大きな助けになることを願っています。
SB C&Sは、販売パートナーと共に、端末の調達からクラウド設定、キッティング、保証、下取りまでGIGAをトータルサポートしている企業として、現場の課題に真摯に向き合い、よりストレスのない効果的なGIGA環境を実現したいと考えています。柔軟なプラン設計と手厚い保証内容は私たちの強みです。
ご紹介したえんちょー先生のサービスでは、ほかにも予備機の保管や充電を請け負う予備機運用サービスを一緒にご利用頂くことで、修理依頼の受付と同時に予備機を発送し、修理が完了した端末を予備機に補填することで最大15%の「予備機」を活用しながら運用することが可能です。

走り出したGIGA第2期の成功を目指し、ぜひ伴走させてください。GIGAでのお困りごとの際は、いつでもご相談いただきたいと考えています。
教育機関お問合せ販売店お問合せGIGA第1期では、多くの自治体が予想以上の故障の多さや、故障時の対応に追われ、業務負担やコストが増大してしまうといった課題に直面したのではないだろうか。「えんちょー先生」そして「特別保証サービス」は、GIGA第2期の推進において、端末運用の効率化とコスト削減を同時に実現する画期的なサービスになるだろう。今後、GIGA端末を利用する児童生徒と先生がストレスなく利活用に集中できる環境整備に寄与するサービスとして、広く認知されることに期待したい。