文部科学省は2024年11月5日、2024年度（令和6年度）のコミュニティ・スクールと地域学校協働活動の実施状況調査の結果を公表した。全国の公立学校のうち、コミュニティ・スクールと地域学校協働本部を一体的に整備している学校は、前年度比2,140校増の1万5,626校で、整備率は45.5％であった。
コミュニティ・スクール（CS）とは、地方教育行政の組織および運営に関する法律第47条の5の規定に基づき、保護者や地域住民などが一定の権限と責任をもって学校運営に参画する「学校運営協議会」を置く学校。
文部科学省は、コミュニティ・スクール（学校運営協議会制度）と地域学校協働活動の一体的な推進による地域と学校の連携・協働体制の構築を推進しており、毎年、実施状況に関する全国的な調査を実施している。調査対象は、都道府県と市区町村教育委員会（学校組合を含む）。2024年度調査の基準日は、2024年5月1日。
全国の公立学校（幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校）におけるコミュニティ・スクールの数は、前年度比2,018校増の2万153校。導入率は、前年度比6.4ポイント増の58.7％。このうち、小学校・中学校・義務教育学校に限ると、導入率は前年度比7.0ポイント増の65.3％。
校種別のコミュニティ・スクール導入率は、義務教育学校77.6％、小学校65.6％、中学校64.4％、特別支援学校50.4％、高等学校37.3％、中等教育学校22.9％、幼稚園15.6％。中等教育学校は変動がなかったが、それ以外の校種は前年度より増加した。
コミュニティ・スクールを導入している自治体数は、前年度比102自治体増の1,449自治体。内訳は、都道府県40、指定都市16、市区町村1,375、学校組合18。導入率は、前年度比5.6ポイント増の79.9％だった。
一方、全国の公立学校において地域学校協働本部を整備している学校数は、前年度比791校増の2万1,935校。整備率は、前年度比2.9ポイント増の63.9％。このうち、小学校・中学校・義務教育学校に限ると、整備率は前年度比2.8ポイント増の74.5％。
校種別の地域学校協働本部の整備率は、義務教育学校80.2％、小学校75.4％、中学校72.4％、幼稚園24.7％、特別支援学校23.3％、高等学校19.0％、中等教育学校8.6％。中等教育学校以外の校種で、前年度より整備率が上昇した。
全国の地域学校協働本部数は、前年度比563本部増の1万3,433本部。地域学校協働活動推進員などは、前年度比1,214人増の3万4,613人。このうち、教育委員会が社会教育法に基づき、地域学校協働活動推進員として委嘱している者は、前年度比2,086人増の1万5,230人であった。
全国の公立学校においてコミュニティ・スクールと地域学校協働本部をともに整備している学校は、前年度比2,140校増の1万5,626校、整備率は前年度比6.6ポイント増の45.5％。コミュニティ・スクールのみを整備している学校は4,527校（13.2％）、地域学校協働本部のみを整備している学校は6,310校（18.4％）、両方とも整備されていない学校は7,871校（22.9％）であった。
文部科学省では、「導入が進んでいない自治体に対するCSマイスターの重点的な派遣」「地域学校協働活動推進員等の配置充実、課題に対応した追加配置、資質向上等への支援」「全国フォーラムや自治体向け説明会・協議会、文部科学大臣表彰の実施」などを通して、さらに取組みの質の向上を図るとしている。文部科学省Webサイトでは、補足資料として都道府県・指定都市別の導入率なども公開している。
