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ZIAI、柏市小中で悩み相談AIチャットシステムのモデル実証

 “カウンセリングの再発明”を掲げるヘルスケアAIスタートアップのZIAIは、千葉県柏市内のパイロット校(小学校・中学校)において最新の生成AIを用いた悩み相談AIチャットシステムを公開。その有効性について検証を実施する。期間は2024年10月21日~12月27日まで。

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ZIAI×柏市教育委員会によるモデル実証
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 “カウンセリングの再発明”を掲げるヘルスケアAIスタートアップのZIAIは、千葉県柏市内のパイロット校(小学校・中学校)において最新の生成AIを用いた悩み相談AIチャットシステムを公開。その有効性について検証を実施する。期間は2024年10月21日~12月27日まで。

 2022年における日本のいじめ認知件数は過去最多の68万1,948件にのぼり、不登校は10年連続増加、児童虐待は32年連続で増加している。ひきこもりは全世代で146万人にのぼり、その3人に1人が、小中学校時代に不登校やひきこもりを経験しているという(「社会的ひきこもり」に関する相談・援助状況実態調査報告/厚生労働省)。

 不登校生徒を調査したデータでは、「誰にも相談しなかった」との回答が小学生で36%、中学生では42%にのぼり(2020年度不登校児童生徒の実態調査)、悩みを抱える生徒の多くが誰にも相談できずに学校生活を送っていることが予想される。一方で、全国的に配置が進められているスクールカウンセラーの相談体制は、1校あたり平均週1回、4~8時間程度となっており、児童生徒の変化に気付き、実際に初期介入を行うのは依然として担任教員や養護教諭が担っているのが現状だという。

 今回ZIAIは、教員の負担を増やすことなく、生徒が「相談しやすい環境」を作るべく、柏市の協力のもとモデル実証を実施。これまで自治体の福祉相談において100万人以上の市民に公開・使用されてきた「悩みチャット相談システム」をパイロット校生徒向けに開放し、24時間いつでもどこでも悩みを相談できる体制を整える。

 実施期間は10月21日~12月27日の約2か月間。柏市内の中からパイロット校に選定された学校の小学5年生~中学3年生を対象に実証を行う。すでに実証が進んでいる高校では、傾聴AIに相談したことをきっかけに、学校改善や不登校・自殺予防への介入につながった事例も出ている。

 今回も、システムを通して悩みを吐露し、傾聴・共感体験を得ることによるストレス緩和と、必要があれば現場の教員やスクールカウンセラーにつなぐことで課題の早期発見から初期対応まで実施することに重点を置いているという。ZIAIは、モデル実証による有効性の検証と子供にとってより良い傾聴体験に向けた改善を図りたいとしている。

《畑山望》

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