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ガラパゴス化から日本の教育を救え、グローバル人材育成について考える6/23

 リシードは東大矢口副学長、渋谷教育学園渋谷高際校長、広尾学園金子副校長を講師に迎え、私立中高の経営層を対象に2024年6月23日、セミナー「学校経営・カリキュラム運営 本気で挑む『グローバル化』への対応とは?」を開催する。

イベント 教員
セミナー「学校経営・カリキュラム運営 本気で挑む『グローバル化』への対応とは?」
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 リシードは2024年6月23日、セミナー「学校経営・カリキュラム運営 本気で挑む『グローバル化』への対応とは?」を開催する。子供たちをガラパゴス化させない、グローバルに通用する人材をどう育てていくのか。開催に先んじ、このセミナーの予告編として、内容の一部を紹介したい。

試験や競争による外発的な動機付けからの脱却

 加速する少子化と内需縮小が進み行く日本。今の子供たちが生きる未来には、グローバルな市場を開拓するとともに、多様な人材と力を出し合い、協働していくことが求められるだろう。競争や試験といった従来の外発的な動機付けによる教育から脱却し、自ら学びに向かう力を養い、ガラパゴスではないグローバルに通用する人材をどう育てていくのか。これは教育における喫緊の課題だ。

 こうした背景からか、最近の保護者の間では、未就学児からのインターナショナルスクールブーム、幼少期からの英語教育への傾倒など、グローバル教育への関心が急速に高まっている。グローバル教育をテーマに掲げた親子向けイベントの来場者数はどこもうなぎのぼりで、乳児から、あるいは妊娠中から、積極的に情報収集を行う保護者も少なくないという。

 そこで、リシード編集部では、学校経営や教員など教育に携わる方々向けに、上述した課題へのヒントを得ていただきたく、6月23日にセミナーを開催する。

グローバルから乖離した日本の大学の現状と課題

 まず、基調講演には、東京大学副学長の矢口祐人教授が登壇。グローバルな視点から見た日本の大学の抱える課題についてご講演いただく。日本の大学改革の最前線に立つ東大の副学長による講演は非常に稀有な機会だといって良いだろう。

 東京大学副学長・大学院総合文化研究科の矢口祐人教授は、東大のグローバル教育センター長を務め、最近では『なぜ東大は男だらけなのか』(集英社新書)の著書としても知られる。米国の大学および大学院で学び、博士号を取得後、1998年より東京大学大学院へ。

 米国で高等教育を受けた経験のある矢口氏は、「日本の大学がジェンダー・ギャップも含めた旧弊的な体制のままでは、真に多様性のある未来など訪れない」と、グローバルから乖離した現状に警鐘を鳴らしている。

 国内にいるだけでは見えにくい、グローバルな視点だからこそ見える日本の大学が抱える課題は何か。そして日本の大学を代表する東大は、日本の未来を担える人材を輩出するため、学生たちにどんな能力を授けようとしているのか。

 さらに、高校までの教育には何を期待するかについても語っていただき、今、学校という環境で子供たちに何ができるのか、どのような力を育めるのか、日本の教育の守るべき強みは何か、子供たちの進路に対してどうやってアドバイスをすればよいのかなど、入試のあり方や高大接続の視点も交え、参加者にとって生徒と日々向き合う上でのヒントとなるようなトピックについても深掘っていく。

真のグローバル人材育成のため高校までにできること

 続いて、矢口氏の講演内容を受けたクロストークでは、そうした能力を備えたグローバル人材を育成するため、具体的に学校の経営やカリキュラムをどう改革していくかについて、議論を深めていく。

 登壇者は、今やグローバル教育の先端校として受験生からの人気が高い渋谷教育学園渋谷中学高等学校の校長 高際伊都子氏、広尾学園中学校 高等学校の副校長 金子暁氏。モデレーターは、17万部のベストセラー『子育てベスト100』(ダイヤモンド社)、『海外の大学に進学した人たちはどう英語を学んだのか』(ポプラ新書)などの著者であり、グローバル教育にも知見のあるリセマム編集長の加藤紀子が務める。

 廃校寸前の危機にあったともいわれる女子校が、共学化で起死回生を図るにあたり、なぜグローバル教育に注目をしたのか。旧体制をどのように説得しながら学校内を改革し、生徒たちをどのように動機付けし、成長をサポートしてきたのか。そして、多くの卒業生が越境をいとわず、世界に羽ばたく姿を見守る中、真のグローバル人材を育てるとはどういうことなのか。そのために中学・高校が果たす役割は何かについて、学校経営・カリキュラム経営の視点から両校の事例を具体的に伺いながら、参加者が明日から実践できるようなヒントを数多く引き出していく。

懇親会での交流により参加者間で知見の共有も

 セミナー後には参加者同士が交流し、情報交換できる場も用意している。先にも述べたように、少子化が進む中、日本の大学には確実に変革の波が来ており、さらに保護者の価値観も揺らぎ始め、進路に対する向き合い方も多様化しつつある。

 こうした状況下で、大学進学までに子供たちが多くの時間を過ごす学校という場で何ができるのか。他校の教員やグローバル教育に知見をもつ教育事業者などとの歓談を通じて、新たな視点や、未来への希望やヒントを見つけるきっかけとしていただきたい。

学校経営・カリキュラム運営 本気で挑む「グローバル化」への対応とは?

おもな対象:中高の経営層(理事長・校長・他管理職)、教育委員会
 ※学校関係者以外の参加はご遠慮ください。
開催日時:2024年6月23日(日)セミナー14:00~16:20/懇親会16:30~17:30(開場:13:40)
会場:立命館東京キャンパス
 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー8階(JR 東京駅 八重洲北口改札より徒歩2分)
定員:先着80名
 ※1校2名まで参加可能。お手数ですが各自お申し込みください。
参加費:セミナー無料/懇親会1,000円(税込・現地支払い)
主催:イード リシード編集部
共催: IDP Education/サインウェーブ/ピアソン・ジャパン/立命館アジア太平洋大学/ロジクール/リシード
申込締切:2024年6月19日(水)12:00
 ※ただし、定員になり次第締め切りとさせていただきます。

プログラム

<1>基調講演「グローバル化とその課題~危機にある日本の大学」
【講師】矢口祐人氏
 札幌生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。Goshen College(アメリカインディアナ州)卒業後、College of William and Mary(アメリカバージニア州)でアメリカ研究の博士号取得。専門はアメリカ研究・太平洋島嶼文化研究。著書・編著に『ハワイの歴史と文化』(中公新書)、『奇妙なアメリカ』(新潮選書)、『現代アメリカ講義』(東京大学出版会)などのハワイ・アメリカ論のほか、日本の大学におけるジェンダー問題を考える『東大はなぜ男だらけなのか』(集英社新書)を2024年に刊行した。東大の教育の国際化に長く関わっており、現在は同大学グローバル教育センター長・グローバル教育推進担当副学長を務める。

<2> IDP Education/サインウェーブ/ピアソン・ジャパン/立命館アジア太平洋大学/ロジクール

<3>クロストーク「学校経営・カリキュラム運営 本気で挑む『グローバル化』への対応とは」
【スピーカー】高際伊都子氏(渋谷教育学園渋谷中学高等学校校長)、金子暁氏(広尾学園中学校高等学校副校長)
【コーディネーター】加藤紀子(リセマム編集長)

<懇親会>

【共催】
IDP Education

 1969年、オーストラリア政府にて設立、IELTS共同オーナー。日本では2016年より試験実施を開始し、現在は全国12都市で試験を行っています。世界の年間受験者が400万人を超える英語4技能試験IELTS(アイエルツ)は、海外留学や移住、近年では国内の大学入試にも活用されています。高校生の受験者増加に伴い、IDPではIELTSを軸にグローバルな進路指導を行う高校を「IELTS推進校」と認定し、支援しています。

サインウェーブ

 自動音声翻訳や発話評価、手書き認識と翻訳・自動添削、学習データの応用など音声技術やAIテクノロジーを強みに未来をつくる教育サービスを開発し提供しています。R&Dからシステム開発、コンテンツ開発、サービス提供・運用、カスタマーサクセスの創出と継続までのすべてのシーンでお客様をサポートできる組織が強みです。
 学校・学習塾の英語教育でご利用いただけるELST、ELST Elementaryに加え、大学や企業でご利用いただけるELST BizやCLST(中国語学習)を提供中です。さらに生成AIを使った新しい学習サービスの提供も予定しています。

ピアソン・ジャパン

 世界最大の教育サービス会社Pearson PLC(イギリス)の日本支社です。世界200か国で事業を展開しています。すべての人が学習を通じて自らの可能性を発揮できることをミッションに、高品質のデジタルコンテンツや学習体験、アセスメント等を提供し、人々がスキルを身につけ成功することを支援しています。
 各種の英語教科書に加えて、英語学習の効果測定に最適なCEFR基準・英語4技能テストや、学習コンテンツとして会話中心にAIで学ぶ多言語学習アプリ「Mondly by Pearson」、世界中の仲間とグループレッスンに参加できるオンライン英語学習「Pearson Online English」をご提供しております。

立命館アジア太平洋大学

 2024年4月現在、立命館アジア太平洋大学(APU)には、108の国・地域の留学生が在籍し、24年間で受け入れた学生達の出身国は167か国・地域に及びます。学生の2人に1人が留学生という世界でも稀有な環境で、世の中に変化を起こす人材を育成します。昨年、「サステイナビリティ観光学部」が加わり、大学寮の増築により、希望者全員の入居も可能となりました。第二の開学を迎えたAPUの今後の挑戦にご期待ください。

ロジクール

 ロジクールはテクノロジーを駆使した教育ソリューションを通じて、すべての学習者の可能性を最大限に引き出します。 私たちは、さまざまな発達段階や学習スタイルを考慮しながら、すべての学習者に最適な製品やサービスを提供し、学生の経験や学習成果にプラスになるようなイノベーションを進めています。 美しく、直感的で、すぐに学習環境に接続できるソリューションを、教室内外で提供します。

《編集部》

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