さいたま市は2024年5月28日、同市の中学生の英語力が、5回連続で全国1位となったと発表した。独自の英語教育を実践する同市は、文部科学省の「令和5年度英語教育実施状況調査」において、英検3級相当の中3生の割合が、全国平均を38.4ポイント上回った。
文部科学省は5月9日、2023年度(令和5年度)英語教育実施状況調査の結果を公開。中学生のCEFR A1レベル(英語検定3級)相当以上の割合が、調査開始以来初めて、全国平均50.0%となり政府目標の5割を達成した。
さいたま市は、全国平均を38.4ポイント上回る88.4%で全国1位を獲得。過去の調査結果をみても、2018年度75.5%(全国平均42.6%)、2019年度77.0%(全国平均44.0%)、2021年度86.3%(全国平均47.0%)、2022年度86.6%(全国平均49.2%)と、毎年度全国平均を大幅に上回り、連続5回全国1位を獲得している(2020年度は未実施)。
同市では、2016年度より全市立小・中学校で独自の英語教育「グローバル・スタディ」を実施し、9年間一貫のカリキュラムを展開。「グローバル・スタディ」の授業で学んだ英語をアウトプットする場として、イングリッシュ・キャンプやディベート大会も開催している。
また、学校教育法施行規則で定める標準の授業時数よりも多い授業時数を設定。小学校は標準210時間に対し419時間、中学校は標準420時間に対し471時間と、他市に比べ、英語を学ぶ時間を多く設けている。
ほかにも、外国語指導助手(ALT)やグローバル・スタディ科専科教員など指導体制を充実。教員向けにも「エビデンスに基づいた指導力向上研修」「小学校教員のための英語力向上研修」など教員研修を充実。さいたま市の英語力の高さは、こうした市独自の教育に支えられているようだ。