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杉並区、11園校で1,307人分の指導要録を紛失

 杉並区は2023年10月10日、区立子供園と区立学校の計11園校で、修了・卒業した児童・生徒1,307人分の指導要録を紛失したと公表した。現在就学している児童・生徒の情報は含まれていない。現時点で、情報漏えいによる第三者の不正使用などは確認されていないという。

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 杉並区は2023年10月10日、区立子供園と区立学校の計11園校で、修了・卒業した児童・生徒1,307人分の指導要録を紛失したと公表した。現在就学している児童・生徒の情報は含まれていない。現時点で、情報漏えいによる第三者の不正使用などは確認されていないという。

 杉並区によると、指導要録の一部の紛失が明らかになったのは、西荻北子供園、杉並第二小学校、馬橋小学校、桃井第一小学校、沓掛小学校、大宮小学校、和田小学校、松ノ木小学校、松溪中学校、高井戸中学校、松ノ木中学校の1園10校。

 指導要録には、児童生徒などの氏名・現住所・保護者氏名などが記録されている20年保存の学籍に関する記録(様式1)、各教科の学習の記録など5年保存の指導に関する記録(様式2)があり、2003年度から2019年度に修了・卒業した児童・生徒1,307人分を紛失した。現在就学している児童・生徒の情報は含まれていない。

 発覚の経緯は、区立小学校から自校で指導要録を確認したところ、一部の紛失が判明したと報告があり、教育委員会が校内の徹底的な捜索と事故報告の提出を指示。その後、指導主事を派遣して、区立子供園や区立学校に指導要録の保有状況を緊急調査した結果、1園10校で紛失が判明した。

 現時点で、情報漏えいによる第三者の不正使用などの事実は確認されていない。杉並区では、学校・園の文書廃棄は一般ごみとして排出するのではなく、契約業者に依頼して溶解処分を行っている。今回の事案は、ほかの文書に紛れた形での誤廃棄の可能性が高く、個人情報流出の可能性は低いと考えているという。

 対象となる卒業生・修了児に対しては10月10日、文書を郵送して謝罪と説明を行った。在籍している幼児・児童・生徒と保護者に対しても書面や一斉メール配信システムなどを活用して速やかに説明するとしている。

 今回の事案を踏まえて10月6日には、校長(園長)会を開き、指導要録の適正な管理についてあらためて教職員へ周知・指導を徹底。誤って廃棄することが起きないよう、保存期間が過ぎた指導要録の廃棄手順を見直すほか、教育委員会が1学期に行っている学校訪問の際、指導要録の管理・保存が適切に行われているか点検するとしている。

 杉並区の教育長は「対象の卒業生およびその保護者をはじめ、区民の皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけすることとなり、心からお詫びを申し上げます。再発防止策を徹底し、区民の皆様の信頼を回復できるよう努めてまいります」とコメントしている。

《奥山直美》

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