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個別最適・協働的な学びを実現、プロジェクター型電子黒板活用事例

 エプソン販売は、プロジェクター型電子黒板を活用した授業の事例集を作成し、Webサイトで公開している。この記事では、電子黒板を活用して個別最適な学び・協働的な学びを実現している授業事例の一部を紹介する。

ICT機器 授業
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エプソン製電子黒板 授業の実践例を紹介する事例集
  • エプソン製電子黒板 授業の実践例を紹介する事例集
  • 2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型学校教育」の姿
  • 小学校での電子黒板を活用した授業事例
  • 小学校での電子黒板を活用した授業事例
  • 中学校での電子黒板を活用した授業事例
  • 中学校での電子黒板を活用した授業事例

 中央教育審議会は2021年1月、変化の激しい時代の中で2020年代を通じて目指す学校教育「令和の日本型学校教育」のあるべき姿をまとめた答申を公表した。その中で、子供の学びの姿として「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実し、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善につなげることを明記。また、ICTは学校教育の基礎的なツールとして必要不可欠なものであるとし、これまでの実践とICTを最適に組み合わせていくことが大切だとしている。

2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型学校教育」の姿 画像出典:文部科学省

 エプソン販売の超ワイドディスプレイ表示ができるプロジェクター型電子黒板は、見せたい部分をしっかり見せることができ学習効率がアップする。また、意見共有ができ対話につながる授業が実現できる。エプソン販売では電子黒板を活用した授業の事例集を作成し、Webサイトで公開。この記事では、事例集の中から個別最適な学び・協働的な学びを実現している長野県千曲市の小中学校での活用事例の一部を紹介する。

電子黒板を活用した事例集
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児童はさまざまな意見に触れ、先生は進捗を確認しながら個別にアドバイス

小学校2年生「国語」の授業事例 画像出典:エプソン販売

【小学校2年生・国語】
 隣の席の友達のすてきなところを伝える手紙を書くという小学校2年生の国語の授業では、まずはグループごとに授業支援システムのカードにすてきなところを書き出す。電子黒板を使ったこの授業では、課題に取り組む時間を示すタイマーを電子黒板に大きく表示した。児童が各自の端末から入力した内容はリアルタイムで電子黒板に表示されるので、ほかの友達の意見を見ながら考えることも可能だ。また、先生は全員の進捗状況を確認しながら、サポートが必要な児童に個別でアドバイスすることができるという。

 授業を行った先生は「電子黒板には見せたい部分を大きく表示できて、児童に見やすく、またわかりやすく伝えやすい点にメリットを感じています。聞くだけの説明では、どこをやっているのかわかりにくい子にも、視覚的にとらえることができるので、理解につながり、意欲的に取り組むようになりました」とコメントしている。

電子黒板の利用によって大きく変わる授業のかたち

小学校での電子黒板を活用した授業事例 画像出典:エプソン販売

【小学校1年生・音楽】
 卒業式の歌の練習を行う小学校1年生の音楽の授業では、歌詞付きのピアノ伴奏動画を電子黒板で表示。児童は顔を上げて前を向いて歌うことができ、先生はピアノの伴奏をせずに教室を動きながら児童の指導にあたることができる。

【小学校6年生・理科】
 電気の性質を学ぶ小学校6年生の授業では、児童が取り組む3つの実験について、確認すべきポイントや実験で使用するストップウォッチを電子黒板に大きく表示。途中で何をすべきかわからなくなっても、電子黒板を見れば確認できるようにしている。

【小学校・特別支援学級】
 電子黒板を授業で使っている特別支援学級の先生は、イメージするのが難しい、集中するのが難しい児童に対して、絵を表示して理解を促したり、デジタル教科書を表示して「今、話しているのはここだよ」と書き込んだりして電子黒板を使用している。電子黒板は大活躍しているといい、児童が意欲的に取り組むようになったと感じているという。

電子黒板活用事例集はエプソン販売のWebサイトからダウンロード

 エプソン販売のWebサイトでは、電子黒板を活用した授業の事例集を公開。この記事で紹介した授業事例を詳しく見ることができる。また、電子黒板を使った小学校の「道徳」「算数」などほかの教科の授業事例も紹介されている。

電子黒板を活用した事例集
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授業のあらゆるシーンで電子黒板が大活躍、授業準備時間も大幅削減

中学1年生「英語」の授業事例 画像出典:エプソン販売

【中学1年生・英語】
 中学1年生の英語の授業では、発音練習や単語学習、音読、課題など、授業中のあらゆる場面で電子黒板が活用されている。電子黒板に表示された新出単語の意味を、先生が電子ペンを使って書き入れ、電子ペンでタッチするだけで単語の発音を聞くこともできる。音声機器の操作に時間をとられることなく、テンポよく授業を進めることができている。

 授業を行った先生は、「音声とともにテキストを同時に見せられるようになり、単語の読み方などを生徒が理解しやすくなりました。CDラジカセを併用する場合と違い、電子ペンで単語をタッチするだけで電子黒板からタイミング良くきれいな音声が出るのが良いですね」と評価している。また、電子黒板を利用したことで生徒たちが前を向くようになったため、生徒がどこを見ているのかがすぐにわかるようになったという。

個別指導の内容を全体にも共有、教員の変化も実感

中学1年生「国語」の授業事例 画像出典:エプソン販売

【中学1年生・国語】
 文学作品を学ぶ中学1年生の国語の授業では、その日に学ぶ内容を電子黒板に表示して、取り組む課題を短時間に説明するところから始まる。主人公の心情に向き合う課題では、電子黒板に生徒の意見を表示しながら、グループで話し合ったり、1人で考えたりする時間を設け、生徒の考えを深めていく。電子黒板を2分割して、生徒の画面を一斉表示したり、主人公の心情を読み取るうえで重要な本文の切り抜きを表示したり、生徒の面白い意見を大きく表示させたりと、電子黒板に表示する内容を臨機応変に変えることができる。最後に、自分が読み取った主人公の心情の変化を生徒が発表すると、その発表をもとにデジタル教科書から該当部分を切り抜いて並べ、ポイントを書き込む。

 授業を行った先生は、生徒が1人で考えたり、グループで考えたりと思考する時間を多くとっているという。電子黒板を活用した授業のポイントは、「生徒がシンキングツールでまとめている画面を電子黒板に映し、私が1対1で個別アドバイスをしながらも、そのやりとりの内容が全体に共有されていること」だといい、生徒自身の学習の変化だけでなく、教員も生徒の異なる読み取りを電子黒板でたくさん見せることができ、生徒に寄り添えるようになったと教員側の変化も感じていた。

電子黒板活用事例集はエプソン販売のWebサイトからダウンロード

 エプソン販売のWebサイトでは、電子黒板を活用した授業の事例集を公開。この記事で紹介した授業事例を詳しく見ることができる。また、電子黒板を使った中学校の「理科」「技術」「学活」などほかの教科の授業事例も紹介されている。

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電子黒板の活用により児童生徒の集中力アップを実感

 長野県千曲市は、GIGAスクール構想以前はICT教育の進んだ自治体ではなかったという。コロナ禍の臨時休校により1人1台端末が整備されたことをきっかけに、教育委員会の組織体制が強化された。電子黒板が全小中学校に完備されたのが2022年。教育現場のニーズに即して、先生たちに向けたレベル別の研修を実施している。

 教育委員会の町田祐介指導主事は、電子黒板を使った授業では「先生方がいちばん見てほしいもの、伝えたいことを1つの場所に映し、児童生徒との対話をしながら画面を操作して授業を進められるようになったことで、児童生徒の集中力も高まったと感じます」とコメント。今後は、さらにICTを文房具として当たり前に活用できるよう授業改善に取り組みながら、多様な児童生徒を誰ひとり取り残すことのない個別最適な学びの実現に向けて進んでいきたいと考えているという。

《外岡紘代》

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