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児童が「見る」ことに集中…プロジェクター型電子黒板の活用事例を紹介

 エプソンは、ビジネスプロジェクターで培った高い開発技術を生かした教育機関向けの電子黒板を販売している。エプソンでは電子黒板を活用した授業の事例集を作成しており、Webサイトで公開。この記事では、事例集の中から授業活用例の一部を紹介する。

ICT機器 授業
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エプソン製電子黒板 授業の実践例を紹介する事例集
  • エプソン製電子黒板 授業の実践例を紹介する事例集
  • 普通教室の大型提示装置整備率
  • 小学4年生「算数」の授業事例
  • 学校のICT化に向けた環境整備について

 エプソンは、ビジネスプロジェクターで培った高い開発技術を生かした教育機関向けの電子黒板を販売している。プロジェクター型電子黒板は黒板に大画面を作り出すことができるので、教室の環境を変えずに利用できる等のメリットがある。エプソンでは電子黒板を活用した授業の事例集を作成し、Webサイトで公開。この記事では、事例集の中から授業活用例の一部を紹介する。

電子黒板を活用した授業の事例集
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学校現場では「大きく写せる」「書き込み可能」を評価

 GIGAスクール構想で1人1台端末の整備が進むとともに、普通教室の大型提示装置整備が急速に進んでいる。文部科学省の発表によると、2022年3月1日時点の普通教室における大型提示装置整備率は83.6%。2019年3月の52.2%から31.4ポイント増加している。実際の教育現場ではどのように利用されているのだろうか。

普通教室の大型提示装置整備率(画像出典:文部科学省)

 エプソン販売が教員を対象に実施した調査では、電子黒板機能が付いたICT機器を普段から利用している先生の46.2%が「PCからデジタル教材を投写し、電子ペンで操作や書き込みをしている」と回答。使っている機能は、「デジタル教材を写して電子ペンで文字等を書き込む」39.6%、「デジタル教材の操作(電子ペンをマウスとして使う)」35.5%の順に多かった。

 大型提示装置を選ぶ際のこだわりを聞いた質問では、「大きく写せればよい」31.2%が最多。これに加えて、どのような大型提示装置が良いかを聞いたところ、「プロジェクター(電子黒板あり)」23.2%、「プロジェクター(電子黒板なし)」17.9%、「液晶モニター(電子黒板あり)」16.2%、「液晶モニター(電子黒板なし)」7.8%と続いた。プロジェクターの選定理由としては「画面が大きいから」という意見が多くあがっており、「より大きく写せる」大型提示装置であるプロジェクターが評価されていることがわかる。

デジタルとアナログの両方を効果的に利用できるエプソンの電子黒板

電子黒板活用授業事例集では学年や科目別での活用事例を紹介。記事内ボタンより、PDFをダウンロードできる。

 エプソン販売の事例集で紹介しているプロジェクター型電子黒板を活用した小学校4年生の算数の授業では、教室前面のホワイトボードにデジタル教科書を投影しながら、その日の授業の目標をホワイトボードに手書きで児童に示すという形で授業が始まる。電子黒板はホワイトボードに投影しているので、電子黒板を見るときも、先生の手書きの文字を見るときも児童は前を向いたまま。液晶モニターを使用する場合と異なり、視線を変えることなく児童が「見る」ことに集中できる。

 その他にも、児童が問題を考えている間には電子黒板にタイマーを表示させたり、1人1台端末で書き込んだ児童全員の解答を一斉に表示して比較したりする等、ホワイトボードへの手書きと電子黒板を生かした授業を紹介している。

 授業を行った先生は、「前の校舎ではテレビ画面と黒板を切り替えて使っていましたが、今は板書もデジタル教材もホワイトボードひとつで見せられるので、子供たちが前を向き集中しやすくなりました」と評価。また、プリント作成・回収の機会が大幅に減るため、授業準備等の業務が効率化でき、とても便利だという。

電子ペンを使って児童が積極的に発表

 小学校2年生の国語の授業では、広いホワイトボードにデジタル教材を大きく投影。先生は電子黒板に書き込みながら児童に説明したり、児童も前に出てきて電子ペンを使って漢字の書き順を発表したりと、電子黒板だからこそできる「児童に視覚的に訴える授業」が行われていた。電子ペンを使って児童に発表させることで、「やりたい!」と発表に積極的な児童の姿が見られた。

 授業を行った先生は、異動してきて電子黒板を使うようになったといい、慣れるまでは時間がかかったものの、今では操作を覚えて便利に使えているという。「児童の中には、何をすべきかわからないと迷う子もいるのですが、大きく提示できることで全員が前を向き、きちんと話が伝わるようになったと感じます。今までやっていた拡大印刷の教材も減り、準備にかかる時間も減っています」と感想を述べている。

 電子黒板とデジタル教材、1人1台端末を活用した授業の実践例を紹介する事例集では他にも、図工や朝の会、朝学習等、さまざまなシーンでの電子黒板活用方法を紹介している。事例集はWebサイトからダウンロードできる。

電子黒板を活用した授業の事例集
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プロジェクター型電子黒板は導入しやすく、授業の効果向上が期待できる

 エプソンのプロジェクター型電子黒板は、教室の黒板やホワイトボード上に設置することで、これまでの教室環境を変えることなく、省スペース大画面を実現。板書とデジタル教材が近接するため、児童生徒の視線移動が少なく、授業がテンポよく進む。また、最大約ワイド90型の大画面で投写でき、教科書やワークシートの細かな文字情報や図表等の細部まで、教室後方の児童生徒にも鮮明に見せることができる。先生による板書自体が減るため、児童生徒が考えたり、議論したりする時間を増やすことができるというメリットもある。

 また、1人1台端末と簡単に連携でき、電子黒板の投写画面をワンタッチ操作で配信可能。教材やWeb画面等の配信した画像は1人1台端末でもペンツール等で書き込みや保存ができる。さらに、1人1台端末の画面を投写画面上に一斉表示することや、先生の端末の画面上にサムネイル表示させて学習の進捗状況を確認することも可能だ。

 エプソン製の電子黒板機能搭載プロジェクターを導入している中学校で行ったアンケートでは、約80%の先生と生徒が学びの向上に一定の効果があると回答した。電子黒板が、1人1台端末の効果的な活用において、重要な役割を担っていることがわかる。

「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」は2024年度までの延長が決定

 文部科学省は2018年4月に「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」を策定し、単年度1,805億円の地方財政措置が講じられてきた。

 2022年度(令和4年度)末で期限を迎える中、新しいICT環境整備方針について2025年度(令和7年度)の策定に向けて検討が進められることから、「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」の計画期間を2024年度(令和6年度)までの2年間延長することが2023年1月23日に発表された。これにより、2024年度までの地方財政措置において、引き続き単年度1,805億円の地方財政措置が講じられる予定。同計画におけるICT環境の水準は、大型提示装置・実物投影機100%(各普通教室1台、特別教室用として6台)。都道府県・指定都市教育委員会には、引き続き学校のICT環境整備および1人1台端末等の積極的な利活用に取り組んでほしいとしている。

学校のICT化に向けた環境整備について(画像出典:文部科学省)

 エプソン製の電子黒板の詳細はWebサイトで確認可能。Webサイトでは、電子黒板とデジタル教材、1人1台端末を活用した授業の実践例を紹介する事例集もダウンロードできる。

 事例集からわかるように、エプソンの電子黒板機能搭載プロジェクターは、各教科の授業だけでなく、授業外の活動でも活用できる性能・各種機能が充実している。実際の利用シーンをイメージしながら、そしてICT環境整備に向けた助成金をうまく活用しながら、ぜひ電子黒板の活用を検討してほしい。

電子黒板を活用した授業の事例集
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《外岡紘代》

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