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精神疾患による離職、過去最多…学校教員統計調査

 精神疾患を理由に離職する教員が過去最多を更新したことが、文部科学省が2023年7月28日に発表した2022年度「学校教員統計調査」の中間報告で明らかとなった。

教育行政 文部科学省
教員の平均年齢の推移(公立学校)
  • 教員の平均年齢の推移(公立学校)
  • 教員の平均年齢の推移(公立学校)
  • 年齢構成
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  • 教育職員の精神疾患による病気休職者数の推移

 精神疾患を理由に離職する教員が過去最多を更新したことが、文部科学省が2023年7月28日に発表した2022年度「学校教員統計調査」の中間報告で明らかとなった。

 「学校教員統計調査」は、学校の教員構成や教員の個人属性、職務態様、異動状況などを明らかにするため、文部科学省が3年ごとに実施している。今回公表されたのは、2022年度(令和4年度)調査の一部を取りまとめた中間報告。調査対象は、国公私立の幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校、各種学校。なお、確定値の公表は2024年3月を予定している。

 公立学校の教員の平均年齢は、幼稚園41.4歳(前回調査時より0.8歳上昇)、小学校42.1歳(同0.5歳低下)、中学校43.0歳(同0.6歳低下)、高等学校46.2歳(同0.1歳上昇)。年齢構成をみると、30歳未満/50歳以上の比率は、幼稚園20.6%/26.1%、小学校20.2%/31.3%、中学校17.3%/34.0%、高等学校11.0%/43.9%。30歳未満比率は小学校と中学校で1~1.1ポイント上昇、幼稚園では50歳以上の比率が2.3ポイント上昇した。

 2021年度間の採用者数は中学校のみ上昇。一方、離職者(定年退職者を含む)数は、高等学校のみ前回調査時より増加した。定年退職以外の離職理由は、全学校種において「家庭の事情」「転職」「病気」が多かった。

 大学・短期大学・高等専門学校における調査では、国公私立の教員の平均年齢は大学49.8歳、短期大学53.0歳、高等専門学校48.9歳。いずれも前回調査時より0.3~0.4ポイント上昇し、全学校種で過去もっとも高い平均年齢となった。2021年度間の採用者数は、高等専門学校で前回調査より増加、離職者(定年退職者を含む)数は、大学と高等専門学校で増加がみられた。

 2021年度公立学校教職員の人事行政状況調査によると、教育職員の精神疾患による病気休職者数は在職者の0.64%にあたる5,897人と年々増加傾向となっている。今回の中間報告においても、精神疾患による離職は、幼稚園42人(前回調査比7人増)、幼保連携型認定こども園31人(同8人増)、小学校571人(同114人増)、中学校277人(同35人増)、高等学校105人(同22人増)、大学57人(同8人増)と全学校種で増加がみられ、調査を始めた2009年以降で最多となることが明らかとなった。

《川端珠紀》

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