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タイピングスキルに個人差…第1回全国統一調査

 タイピングスキルに個人差があり、全体的な底上げが課題ということが、教育ネットが2023年2月10日に公開した「第1回全国統一タイピングスキル調査」より明らかになった。

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日本語入力文字数(全体中央値)
  • 日本語入力文字数(全体中央値)
  • 小学5年生 日本語入力文字数(全体中央値)
  • 中学2年生 日本語入力文字数(全体中央値)

 タイピングスキルに個人差があり、全体的な底上げが課題ということが、教育ネットが2023年2月10日に公開した「第1回全国統一タイピングスキル調査」より明らかになった。

 「第1回全国統一タイピングスキル調査」は2022年7月~11月末、日本全国の小中学生を対象に、教育ネットとミラボが共同開発したタイピングスキル向上をメインとしたデジタル教材「らっこたん」を使用して実施した。実施人数1万1,744人。

 調査の結果、日本語の「入力速度」について、1分間あたりの正しい入力文字数は小学6年生がもっとも多く51文字、ついで中学3年生の48文字だった。中学生は全学年で40文字以上であり、6年生に及ばなかったものの、全体的には学年があがるにつれて入力速度も速くなる傾向にあった。

 「入力速度分布」について、小学5年生と中学2年生の結果をみてみると、小学5年生では1分間に150文字以上入力できる児童が1.1%、中学2年生では0.9%であり、入力速度が速い児童生徒がいる一方で、1分間に20文字未満の小学5年生が4.2%、中学2年生は1.9%いることがわかり、入力速度には個人差があるということがわかった。

 なお、2021年に文部科学省が実施した「情報活用能力調査」において、小学5年生の51.2%、中学2年生の23.3%が、1分間の文字入力数(ひらがな・カタカナ・漢字・アルファベット等の組合せ)が15字未満にとどまったことから、文部科学省では、小中学生のタイピング能力の底上げを図りたいとしている。

 タイピング指導に力を入れているという横浜市立茅ケ崎台小学校の今村俊輔先生は、「タイピングスキルが向上すると学習の幅を広げることができる」として、当時小学5年生(現6年生)の児童に「3タイプ/秒、苦手でも2タイプ/秒」という目標を掲げ、タイピング指導を強化。その努力が実を結び、「第1回全国統一タイピングスキル調査」の同校6年生の結果は、1分あたりの入力文字数29文字以下の児童が0人という結果に。タイピング能力の底上げにも効果がみられたという。

 今後、教育ネットは3月11日に「GIGA2年目のタイピングスキルの現状と今後の可能性~第1回らっこたんセミナー~」を開催。今村俊輔先生が登壇し、「タイピングスキル向上の必要性、授業でおこる変化」と題した講演を行う。また、現在「第2回全国統一タイピングスキル調査」も実施中で、参加自治体と学校を受け付けている。どちらも無料で参加することができる。

◆GIGA2年目のタイピングスキルの現状と今後の可能性~第1回らっこたんセミナー~
日時:2023年3月11日(土)13:00~
会場:横浜市立茅ケ崎台小学校(神奈川県横浜市都筑区長坂13-1)※オンライン同時開催あり
対象:教職員、教育委員会
参加費:無料
申込方法:Webサイト専用フォームより

◆第2回全国統一タイピングスキル調査
実施期間:2022年12月~2023年3月末(予定)
対象:全国の自治体・学校
参加費:無料
申込方法:教育ネットのWebサイトより


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《木村 薫》

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