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共通テスト未受験の特例措置「有利になることはない」文科省Q&A

 新型コロナの影響で大学入学共通テストを受けられない受験生に対する特例的な措置について、文部科学省は2022年1月12日、Q&Aを公開した。「個別試験だけ受験したほうが有利では」との懸念には、「判定基準が易しくなって有利になるようなことはない」と説明している。

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新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について
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  • 受験機会の確保に関するQ&A
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 新型コロナウイルスの影響で大学入学共通テスト(以下、共通テスト)を受けられない受験生に対する特例的な措置について、文部科学省は2022年1月12日、「受験機会の確保に関するQ&A」を公開した。「共通テストを受験せず個別試験だけ受験したほうが有利では」との懸念に対しては、「判定基準が易しくなって有利になるようなことはない」と説明している。

 新型コロナウイルス感染症の新規患者やオミクロン株による患者が急増し、今後さらに急速な感染拡大も懸念される中、文部科学省は1月11日、国公私立大学に向けて2022年度大学入学者選抜で受験生が受験機会を失うことのないよう通知を発出。新型コロナウイルスの影響で共通テストの本試験と追試験のいずれも受験できない受験生が出た場合、個別学力検査等で合否判定するよう要請した。

 1月12日には、通知で示した受験機会の確保に関するQ&Aを文部科学省Webサイトで公開した。受験機会のさらなる確保のために講じる今回の措置については、「今年度に限り例外的に行うもの」と説明。共通テストでは、本試験の2週間後に追試験を設定しており、各大学の個別試験でも約99%の大学が追試、振替受験の機会を設定していることから、「今回の措置の対象となるような受験生が出る可能性は極めて限定的」との見解を示している。

 今回の措置の対象者については、新型コロナウイルス感染症に罹患、もしくは保健所より濃厚接触者に該当すると伝えられ別室受験の条件を満たすことができなかったために「本試験および追試験のいずれも受験できなかった者」「本試験もしくは追試験のいずれかが受験できなかった者のうち、もう一方の試験も病気、けがの他、やむを得ない理由により受験できなかった者」と解説。新型コロナウイルス以外の病気、けが等を理由として共通テストの本試験も追試験も受験できなかった場合は、今回の例外的な措置の対象外としている。

 「共通テストを受験せずに各大学の個別試験だけ受験したほうが有利になるのでは」との問いに対しては、「本人が、有利になるからというような理由で意図的に共通テストを受験しない方法を選択できるようになるものではない」「共通テストを受験した他の受験生の能力と比較して、十分それを上回る能力を有するかどうかを慎重かつ厳格に判定するもの」と説明。「判定基準が易しくなって当該受験生が本人の能力とかかわりなく有利になるようなことはないと考えている」と述べている。

 また、今回の措置により「本来の試験で受験する者の合格枠が減ってしまうのではないか不安」との問いには、「合格者数の決定は、最終的には大学の判断になるが、今回の措置の対象となる受験生の合否判定については、本来の募集人員の枠外で行うことを可能とする措置を講じている」と指摘している。
《奥山直美》

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