東京都立高校一般入試で男女別定員制によって男女の合格ラインが大きく異なっている問題について、文部科学省の萩生田光一大臣は2021年5月28日、女子の不利な扱いが問題視された医学部不正入試とは「性格が違う」との見解を示した。 東京都立高校の入学者選抜では、募集人員に男女別定員が設けられている。全日制課程の普通教育を主とする学科では、一部の学校で募集定員の9割まで男女別に合格者を決め、残りの1割を男女合同で決定する男女別定員制緩和を実施。男女間の合格最低点を是正する点で一定程度の効果があったとして、2021年度入学者選抜でも導入している。 5月28日に会見した文部科学省の萩生田光一大臣は、「高校入試において合理的な理由なく性別等の属性により取扱いの差異を設けることは不適切」との考えを表明。医学部不正入試を例に「決してあってはならないこと」としたうえで、都立高校入試の男女別定員制については「募集定員の設定も含めて実施者である東京都が判断をし、決定し、各学校がその学校および学科等の特色に配慮しつつその教育を受けるに足る能力適性等の入試により判断することにより行われているのだと思うし、あらかじめ男子、女子の募集人員を明らかにして選抜を行っている」と指摘。性別等の属性による差別的な不正が問題視された医学部入試とは、「性格が違う」との考えを示した。 さらに文部科学省の立場から「性別等の属性に応じた取扱いの差異の設定等を行う場合は、募集要項等にその旨を記載するとともに実施者がその合理的な理由を説明できることが必要」と説明。東京都立高校入試については「実施者である東京都教育委員会において適切に判断し説明すべきもの」と語った。