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大阪市小学校学力経年調査、授業以外の勉強時間が正答率に影響

 大阪市教育委員会は2021年4月27日、令和2年度(2020年度)「大阪市小学校学力経年調査」について、調査結果およびリーフレット「令和2年度大阪市小学校学力経年調査から見えた傾向について」を取りまとめ、Webサイトに公開した。

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 大阪市教育委員会は2021年4月27日、令和2年度(2020年度)「大阪市小学校学力経年調査」について、調査結果およびリーフレット「令和2年度大阪市小学校学力経年調査から見えた傾向について」を取りまとめ、Webサイトに公開した。

 「大阪市小学校学力経年調査」は、児童と保護者が、自身と子供の学習理解度および学習状況等を知り、目標をもって主体的に学習に取り組めるようにすることや、幼小中高における学びの連続性を確保する観点から、義務教育段階(小学校)で身に付けておかなければならない力を確実に定着できるようにすること等を目的として実施された。

 調査は大阪市立小学校の3年から6年を対象とし、悉皆で実施。教科に関する調査(教科は国語、社会、算数、理科、英語の5教科)と児童質問紙調査により行った。実施期間は2021年1月12日から14日。実施校数は289校。実施児童数は、3年が1万8,732人、4年が1万8,660人、5年が1万8,407人、6年が1万7,701人。

 大阪市における平均正答率は、3年生が「国語」61%、「社会」67%、「算数」69%、「理科」66%。4年生が「国語」64%、「社会」61%、「算数」65%、「理科」64%。5年生が「国語」64%、「社会」66%、「算数」64%、「理科」67%、「英語」87%。6年生が「国語」63%、「社会」70%、「算数」68%、「理科」68%、「英語」84%。

 全国平均を上回ったのは3年・4年の「算数」のみで、全国値と比べて3年は1ポイント、4年は2ポイント高い結果となった。正答率が高かった項目は、3年が「たし算・ひき算」に関わる問題で平均正答率は83%(全国値84%)、4年が「億と兆・がい数の表し方」に関わる問題で平均正答率は87%(全国値86%)。

 一方、全国平均を大きく下回ったのは5年・6年の「社会」で、全国値と比べて5年は7ポイント、6年は5ポイント低い結果となった。正答率が低かった項目は、5年が「自動車をつくる工業」に関わる問題で平均正答率は42%(全国値52%)、6年が「戦国の世の中」に関わる問題で平均正答率は43%(全国値48%)。なお、3年・4年の社会科は、大阪市・大阪府に関する問題を含んでおり、他の自治体とは問題等に差異があるため、全国(参考)値は表記していない。

 質問紙と学力のクロス分析の結果をまとめた「令和2年度大阪市小学校学力経年調査から見えた傾向について」では、テレビやビデオ・DVDを見たり、ゲームをしたりする時間が長くなるほど、平均正答率が低くなっていることが明らかに。また、学校の授業時間以外に勉強する時間が長くなるほど平均正答率が高く、1日あたりまったく勉強をしないと回答した児童の平均正答率は60%以下となった。
《桑田あや》

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