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withコロナ時代に求められる教育…経団連が第一次提言

 日本経済団体連合会(経団連)は2020年7月14日、「Society 5.0に向けて求められる初等中等教育改革 第一次提言~withコロナ時代の教育に求められる取組み~」と題した提言を公表した。学校のICT環境の緊急整備、オンライン教育に対応できる教員の養成などを提言している。

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Society 5.0で求められる能力と教育の方向性
  • Society 5.0で求められる能力と教育の方向性
  • Society 5.0における教育の方向性
  • Withコロナ時代の初等中等教育に求められる取組み
  • 全国でリモート教育が実施可能な環境の緊急整備
  • 全国でリモート教育が実施可能な環境の緊急整備
  • 改訂学習指導要領が目指す教育の実現
  • 改訂学習指導要領が目指す教育の実現
  • ICTを活用した新しい教育様式に対応できる教員の養成
 日本経済団体連合会(経団連)は2020年7月14日、「Society 5.0に向けて求められる初等中等教育改革 第一次提言~withコロナ時代の教育に求められる取組み~」と題した提言を公表した。学校のICT環境の緊急整備、オンライン教育に対応できる教員の養成などを提言している。

 経団連では、Society 5.0の実現に向けて求められる初等中等教育改革に関する提言に向け、2019年秋から教育・大学改革推進委員会において企画部会を中心に検討を重ねてきた。その中で、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化。新型コロナウイルスとともに歩む時代(withコロナ時代)において、オンライン教育と学校での対面形式の教育とのハイブリッドな学習環境の構築による新しい教育様式を確立するため、比較的、短期的に求められる教育改革の取組みを中心に第一次提言としてとりまとめた。

 Society 5.0で求められる能力については、経団連と大学のトップが構成する「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」の中間とりまとめと共同提言から、「リテラシーとしての能力、論理的思考力と規範的判断力、課題発見・解決能力、未来社会を構想・設計する力と高度専門職に必要な知識・能力」と記載。大学において求められる能力からバックキャストして、初等中等教育の各段階から、子どもの成長段階に応じて育成する必要があるとした。

 Society 5.0における教育の方向性には、誰も取り残さない教育「ダイバーシティ&インクルージョン」、全国で学校と家庭・学習塾などが機動的に連携して質の高い教育を提供する「地域創生」、探究型学習による「主体的・対話的で深い学び」、社会人が大学などでいつでも学び直せる「リカレント教育」の4つをあげた。

 withコロナ時代の初等中等教育に求められる取組みでは、長期の臨時休校によって露呈した日本の教育におけるデジタル化の遅れについてさまざまなデータを示し、「全国でリモート教育が実施可能な環境の緊急整備」「ICTを活用した新しい教育様式に対応できる教員の養成」などを求めた。改訂学習指導要領が目指す教育の実現、9月入学への移行の慎重な検討についても触れている。

 高大接続の改善と大学入試改革については、「高等学校教育は、高等教育に接続するものであるがゆえに、ともすれば大学入試に左右されがち」と指摘。大学入試改革のこれまでの経緯をたどり、大学入試改革の目指すべき方向性として「文理を問わず、数学の試験はすべての大学が課すべきであり、論理的な文章構成・表現力を測定する観点から、記述式問題も課すべき」「英語4技能を測定する民間英語資格・検定試験の活用を大学入試に早急に導入すべき」などを提言した。

 withコロナ時代の初等中等教育において企業に求められる取組みには、「デジタル技術やハードウェア(教育用端末など)の提供」「企業人の派遣による貢献」をあげている。
《奥山直美》

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