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文科省、遠隔授業や課題研究の実施における留意点などを通知

 文部科学省は2020年5月1日、新型コロナウイルス感染症への対応として、大学や高等専門学校における遠隔授業などの面接授業以外の実施に係る留意点や、実習などの弾力的な取扱いについての考え方などを示した。

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文部科学省「新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について」
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 文部科学省は2020年5月1日、新型コロナウイルス感染症への対応として、大学や高等専門学校における遠隔授業などの面接授業以外の実施に係る留意点や、実習などの弾力的な取扱いについての考え方などを示した。

 大学や高等専門学校においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により臨時休業が長期化するなど、本来の授業計画を予定通り実施することが困難であることが想定される。

 今回は特例的な措置として、面接授業に限らず、自宅における遠隔授業や、授業中に課すものに相当する課題研究などを行うなど、弾力的な運用を行うことも認められる。その際に、「授業担当教員の各授業の指導計画(シラバスなど)のもとに実施されていること」「授業担当教員が、オンライン上での出席管理や、確認的な課題の提出などにより、当該授業の実施状況を十分把握していること」「学生ひとりひとりへ確実に情報を伝達する手段や、学生からの相談に速やかに応じる体制が確保されていること」「大学等として、どの授業科目が遠隔授業で実施されているかなど、個々の授業の実施状況について把握していること」について留意するよう求めている。

 実習・実験・実技により行われる授業の弾力的な取扱いについて、臨時休業などにより大学などに通学できない期間は、可能な限り面接授業に相当する教育効果を有する遠隔授業などにより代替する。面接授業が不可欠と判断するものについては、夏季休業期間や後期授業期間、次年度以降に後ろ倒しして対応する。通学が可能な場合は、地域の感染状況を踏まえながら、通勤時間帯を避けるために授業の開始時間の変更や、3つの条件(換気の悪い密閉空間・多くの人が密集・近距離での会話や発話)が重なることを徹底的に回避する対策を講じた授業の分散実施など、感染リスクに十分配慮したうえで、実習などの授業を実施するよう求めた。

 教育実習については「令和2年度における教育実習の実施期間の弾力化について」、医療系などの実習については「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う医療関係職種等の各学校、養成所および養成施設等の対応について」も踏まえて実施するよう要請。課程認定に係る実習などの授業の取扱いについては、関係省庁・部署などが示している考え方を踏まえ、必要に応じて当該関係省庁・部署などに相談するよう呼びかけた。

 個々の学生の状況に応じた学修機会を確保するため、美術や音楽、体育関係の分野など遠隔授業が難しい学部などでは、学生の状況や希望を踏まえながら、修学上のさまざまな配慮や工夫について検討するよう要請。また、学生が単位取得などについて大きな不安を抱えていることから、より丁寧な説明を行うよう求めている。

 このほか、遠隔授業の実施などについて国立情報学研究所が開催する「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」を参照することや、学生の通信環境への配慮することなども要請している。
《外岡紘代》

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