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ローマ字つづり「ヘボン式」に約70年ぶり改定…文科相12/16会見

 文部科学省の松本洋平大臣は2025年12月16日の記者会見で、スポーツ功労者顕彰の受彰者決定や、国立劇場の再整備、AI戦略、約70年ぶりの改定が閣議決定したローマ字のつづり方などについて見解を示した。ローマ字はより英語の発音に近いとされる「ヘボン式」を用いることとなる。

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松本洋平文部科学大臣会見(令和7年12月16日)
  • 松本洋平文部科学大臣会見(令和7年12月16日)

 文部科学省の松本洋平大臣は2025年12月16日の記者会見で、スポーツ功労者顕彰(プロスポーツ分野)の受彰者決定や、国立劇場の再整備、AI戦略、約70年ぶりの改定が閣議決定したローマ字のつづり方などについて見解を示した。ローマ字はより英語の発音に近いとされる「ヘボン式」を用いることとなり、12月22日より実施される。

 ローマ字のつづり方については、国語として習う現在の「訓令式」から、すでに広く一般的に用いられている「ヘボン式」を基本とする新たな内閣告示が閣議決定され、12月22日から実施されると説明した。すでに定着している表記は直ちに変更を求めるものではないとしており、たとえば、松本大臣の姓の「つ」音の表記は、従来からヘボン式の「tsu」を使用しているとし、告示においても個人名表記は当事者の意思を尊重するとしている。小学校でのローマ字学習のつづりも変更されることから、将来にわたって適切に用いられるよう周知に努めるとした。

 国産AIの開発を巡っては、新聞社の提言への個別コメントは控えつつ、信頼できるAI実現に向けた国内データ整備や基盤モデル・評価基盤の開発推進、初等中等教育段階からの知識向上が重要との認識を述べた。さらに、総合型選抜に特化した受験塾「SS義塾」が音信不通と報じられている問題については「受験生が動揺するような事態で大変遺憾」とし、受験生に対し不安があれば保護者や学校の先生に相談するよう呼びかけた。

 国立劇場の再整備では、2回の入札不成立などで再開場が見通せない状況に触れ、速やかな再開場の必要性を強調した。物価高など建設市場の動向も踏まえつつ、政府の総合経済対策で「必要な時期に追加の財政措置を適切に行う」旨を明記したことを紹介し、関係省庁と連携して再整備を進める考えを示した。整備計画で示した2033年度の再開場を目指し、引き続き取り組んでいくとしている。

 このほか、会見冒頭では、2025年度スポーツ功労者顕彰(プロスポーツ分野)の受彰者決定について報告した。受彰者はモーターサイクルスポーツの風間深志氏、競技ダンスの楠潤一郎氏、ゴルフの倉本昌弘氏、モータースポーツの関谷正徳氏、相撲の吉永一美氏の5名で、顕彰式は第55回日本プロスポーツ大賞受賞式典とあわせて12月17日に実施される。

《畑山望》

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