文部科学省は2026年8月20日、2026年度(令和8年度)DXハイスクール事例集を公開した。公立・私立1,249校が採択された同事業で、農業DXや半導体人材育成、メタバースを活用した農産物販売など、3校の特色ある取組みを紹介している。
DXハイスクールは、情報・数学などの教育を重視し、ICTを活用した探究的・文理横断的・実践的な学びを進める公立・私立の高校等の環境整備などを支援する事業。2026年度は継続校を含め、公立920校・私立329校の計1,249校が対象となっている。このうち、特定の分野やテーマに重点を置いてDX教育に取り組む重点類型は80校で、グローバル型20校、特色化・魅力化型10校、プロフェッショナル型50校(うち半導体重点枠10校)となる。
2026年度の事例集では、学校編として鹿児島県立市来農芸高校、重点類型編として熊本県立水俣高校と鳥取県立倉吉農業高校の事例を公開した。
鹿児島県立市来農芸高校 農業科(継続3年目・基本類型)の事例では、「農業DXで稼ぐ力の向上 ~ICT機器の活用で農業課題解決に向けて自走できるスマート農業人材の育成」をテーマに、先端技術の導入や地域・企業との連携を進めている。具体的には、VR/MR教材や生成AIを活用した実習の高度化・効率化に加え、課題研究の拠点として設置した「DXラボ」を活用し、データの記録・分析や地域との交流を推進。また、鹿児島大学や県立農業大学校、地元企業などと連携し、スマート農業に必要な知識・技術を身につけた職業人材の育成にも取り組んでいる。
熊本県立水俣高校 半導体情報科(継続2年目・プロフェッショナル型/半導体重点枠)は、「基礎的な技術を習得し、技術革新に対応できる能力と態度を育成する」をテーマに掲げ、半導体産業を支える人材や、建設・製造現場の技術革新に対応できる人材の育成を目指している。学習は学校設定科目「半導体技術」を中心に展開し、電気・電子・情報・機械分野を横断して基礎から応用まで学ぶ。また、最先端設備を備えた「DXラボ」では、AIや3D-CAD、ロボット制御(FA技術)、メタバースなどを活用した実践的な学習を推進。実機を用いた製品開発から販売までを体験するほか、企業や大学、行政などとの連携による授業・実習にも取り組んでいる。
鳥取県立倉吉農業高校 農業科(継続3年目・プロフェッショナル型)は、「鳥取・倉吉に農業分野の新たな価値を創造する」をテーマに、若者の地元定着と新産業の創出に貢献できる「かっこいい」農業の体現者(デジタル農業を駆使したモデルを示す人材)の育成を目指している。メタバース空間を活用した農産物の販売に取り組むほか、「そうのうDXラボ」を拠点に農業DXを推進。建設分野では3Dレーザースキャナーなどを活用し、ICT施工技術を学ぶ。また、地域の農家や企業、大学などとの連携に加え、全国の専門家ともつながり、AIやプログラミングなど最先端の知見・技術を取り入れた学びを進めている。
各校の取組事例は、文部科学省のWebサイトで閲覧できる。いずれも写真を用いて、わかりやすく解説した資料となっており、DXハイスクールの取組内容を知るだけでなく、これから取組みを進めるうえでも参考にできる。









