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カスタマーハラスメント、10/1義務化で学校向け指針

 文部科学省は2026年8月28日、「学校と保護者・地域住民等とのより良い関係構築のためのガイドライン」を作成し、公表した。10月1日から「カスタマーハラスメント」への対応が事業主の義務として位置付けられることを踏まえ、学校設置者向けに方針の明確化や相談体制の整備など、求められる対応を解説している。

教育行政 文部科学省
学校と保護者・地域住民等とのより良い関係構築のためのガイドライン
  • 学校と保護者・地域住民等とのより良い関係構築のためのガイドライン
  • 第1章 保護者や地域住民等とのより良い関係構築のための考え方
  • 第1章 保護者や地域住民等とのより良い関係構築のための考え方

 文部科学省は2026年8月28日、「学校と保護者・地域住民等とのより良い関係構築のためのガイドライン」を作成し、公表した。2026年10月1日から、いわゆる「カスタマーハラスメント」への対応が事業主の義務として位置付けられることを踏まえ、学校現場における保護者や地域住民等からの社会通念上許容される範囲を超えた言動への対応指針をまとめたもの。おもに学校設置者向けに、方針の明確化や相談体制の整備など、求められる対応を解説している。

 ガイドラインでは、学校と保護者や地域住民等は、児童生徒等の健やかな成長を支える共通の立場にあるとし、保護者や地域住民等を教育上の重要なパートナーと位置付けている。学校は日ごろから相互の信頼関係を構築し、連携・協働しながら教育活動の充実を図ることが重要だとした。一方で、近年は学校だけでは対応が困難な相談や要望もみられるとして、学校設置者や関係機関が連携し、組織的に対応する必要性を示した。

 防止措置の対象となる言動は、学校等で行われる保護者や地域住民等の言動で、教職員が従事する業務の性質などに照らして社会通念上許容される範囲を超え、それにより教職員の就業環境が害されるものと整理している。対象には、対面だけでなく電話やSNS等インターネット上の言動も含まれる。一方、保護者や地域住民等からの意見・苦情等のすべてが対象となるわけではなく、社会通念上許容される範囲で行われたものは防止措置の対象に当たらないとしている。

 判断にあたっては、言動の目的、経緯や状況、態様、頻度、継続性、教職員の心身の状況、行為者との関係性などに着目し、総合的に判断する必要がある。典型例として、学校の教育活動と関係のない要求、学校運営の範囲を著しく超える対応の要求、身体的な攻撃、脅迫や中傷などの精神的な攻撃、威圧的な言動、継続的・執拗な言動、長時間の居座りや電話などの拘束的な言動をあげた。ただし、個別の事案の状況によって判断が異なる場合があることにも留意を求めている。

 学校設置者が具体的に取り組むべき措置としては、方針等の明確化と周知・啓発、相談に応じ適切に対応するための体制整備、事案発生後の迅速かつ適切な対応、対応の実効性を確保するために必要な措置などを示した。特に悪質な事案への対処では、警察への通報、警告文の発出、電話や面談からメールなど文書でのやり取りへの切替え、学校への出入り禁止、スクールロイヤーや顧問弁護士への対応代理の依頼などを例示している。

 あわせて、相談者等のプライバシー保護や、相談・事実確認への協力などを理由に教職員が不利益な取扱いを受けないようにすることも求めた。さらに、望ましい取組みとして、保護者や地域住民等への対応力向上を図る研修、家庭や保護者が抱える課題、障害特性、保護者の学校への期待感などへの理解を深める取組み、教職員の参画を得た運用状況の把握や見直しなどをあげている。文部科学省のページでは、同ガイドラインのほか、保護者・地域住民向け資料や、自治体の対応マニュアル・手引き、教職員支援機構の関連動画教材なども掲載している。

《畑山望》

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