教育業界ニュース

キャリア・パスポートは例示資料を廃止…特別活動の見直し案

 中央教育審議会教育課程部会特別活動ワーキンググループの第6回会議が2026年5月25日に開かれ、特別活動を通じたキャリア教育の改善策が示された。キャリア・パスポートについては、例示資料を廃止し、見通しや振り返りなど現場の実態に即した内容へ進化させる案が盛り込まれた。

教育行政 文部科学省
「キャリア・パスポート」のねらいの具現化に向けた見直し(イメージ)
  • 「キャリア・パスポート」のねらいの具現化に向けた見直し(イメージ)
  • 「キャリア・パスポート」のねらいの具現化に向けた見直し(イメージ)
  • 自らの人生を舵取りする力と民主的で持続可能な社会の創り手育成へ
  • 学校行事と総合との関係の一層の明確化(イメージ)
  • 修学旅行、職場体験等を探究として実施する場合のイメージ
  • 総合と特別活動の双方の視点から見た学校行事について(修学旅行/職場体験の例)
  • 学校行事を通じた「好きや得意」の発表の機会の明確化(イメージ)
  • 「好きや得意」「対話と合意」を具現化する特活と総合の関係と役割(イメージ)

 中央教育審議会教育課程部会特別活動ワーキンググループの第6回会議が2026年5月25日に開かれ、特別活動を通じたキャリア教育の改善策が示された。キャリア・パスポートについては、例示資料を廃止し、見通しや振り返りなど現場の実態に即した内容へ進化させる案が盛り込まれた。

 特別活動(特活)は、学級活動、児童会・生徒会活動、学校行事、クラブ活動といった「学級・学校や自己の生活に関わる課題」に取り組む教育活動で、各教科での学びと将来の生き方をつなぐキャリア教育の要としての役割を担っている。同ワーキンググループでは、時代の変化を見据え、これらの特別活動を通じたキャリア教育の在り方や、学校行事・クラブ活動の改善、デジタル学習基盤の活用について検討を重ねている。

 小学校から高校までの学習や活動の記録を蓄積するキャリア・パスポートについては、現在の例示資料に基づくワークシート作成が形骸化しているとの指摘を受け、例示資料を廃止し、現場の創意工夫を生かした多様な取組みへと進化させることを提案。あわせてクラウド上での個人管理を基本とし、学校種(小・中・高)を越えた書類の引き継ぎを求めない方針が示された。

 修学旅行や職場体験などの学校行事は、総合的な学習(探究)の時間と連携させ、事前・事後学習を含む探究プロセスの一部として位置付ける。具体的には、「文化的行事」を「文化・学習発表的行事(仮称)」へ名称変更し、各教科やクラブ活動で育んだ好きなことや得意なことを、社会や地域に発信する場へ進化させることなどが検討されている。

 クラブ活動については、これまでの固定観念を覆す柔軟な運用を提案。異学年で活動するという原則を維持しながら、主として4年生以上とされている学年の縛りを各学校の実態に応じて柔軟に設定できるようにするほか、実施期間を特定時期に集中させたり、地域社会の活動(放課後子供教室など)と接続したりすることを認める方針が示された。

 さらに、生徒会活動の話し合いの場では、議事録作成にAIを活用して事務作業を効率化し、より本質的な議論や実践に時間を割けるようにする方向で検討。デジタル付箋やアンケートフォームを活用して少数意見や意見の変化を可視化し、納得度の高い合意形成を行う事例も紹介された。

 今回の見直し案は、特別活動を単なる学校行事にとどめず、子供たちが自らの人生を主体的に舵取りするための「リアルな学びの場」として再定義しようとするものだ。形式化していた例示資料の廃止やデジタル活用が進むことで、特活本来の魅力である「なすことによって学ぶ」姿がどのように進化していくのか、今後の議論に注目が集まる。

《川端珠紀》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top