文部科学省は2026年4月22日、特別支援教育の質の向上に向けた見直し案「特別支援学校教諭の免許制度や教職課程、幼・小・中・高の教職課程における特別支援教育の在り方に係る方向性」を公表した。
専門性が求められる特別支援教育では現在、多くの自治体で正規教員の割合が8割弱と深刻な教師不足が続いている。特別支援学級や通級による指導を担当する教師のうち、特別支援学校教諭免許状の保有者は約3割にとどまる。また小・中学校の特別支援学級では臨時的任用教員の割合が高く、長期的な視野に立った計画的な育成・配置が難しい状況にある。
こうした課題を踏まえ、中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会の「教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループ特別支援教育作業部会」は、計3回の審議を経て、教員免許制度や養成課程の抜本的な見直し案を取りまとめた。
教員免許の種類については、現行の「一種免許状」と「二種免許状」を基礎的な免許状として統合する方向で検討。取得単位数(現行は一種26単位、二種16単位)による区分を廃止し、すべての教師が備えるべき基礎的な専門性を保証する新たな免許制度とする。
教職課程のカリキュラムは、「共通的な土台」と「障害種別の専門性」に整理する。具体的には、ICF(国際生活機能分類)や障害の社会モデル、合理的配慮、基礎的環境整備といった共通内容を学んだうえで、視覚・聴覚・知的・肢体不自由・病弱など各障害領域の専門性を積み上げる構成とする。また、新科目として「特別支援教育の実践に関する総合的な演習」を設け、理論と実践を有機的に統合した「省察的実践力」の育成を目指す。
単位数には、多様な強みをもつ教師の育成に向け、大学や学生が自由に活用できる「余白(16単位のうち2単位)」を設ける。これにより、大学は特色あるカリキュラムの編成や実践的指導の強化が可能となり、学生も目指す教師像やキャリアプランに応じた学びを選択できる。
さらに、免許取得後もキャリアを通じて専門性を高める仕組みの整備を進める。勤務しながら、ほかの障害領域の免許を追加取得しやすくするため、現職教員向けの教育職員検定の見直しも並行して実施する。今後は、原則としてすべての障害領域(5領域)の免許状取得を努力義務とする方向で検討を進めている。














