北海道教育委員会は、高校無償化や国の新たな施策の動向を見極める必要があるとして、2029年度の公立高校の再編整備や定員調整を見送る方針を固めた。2026年6月2日に公表した公立高等学校配置計画案で示された。
今回公表されたのは、2027~2029年度(令和9~11年度)の北海道内の公立高等学校配置計画案。中学校卒業者数の減少など社会情勢の変化に対応し、学校の再編統合や学級数の調整を行うことで、教育水準の維持と適正配置を図るための具体的な施策をまとめている。
計画案によると、2027年度は、市立札幌藻岩高校と市立札幌啓北商業高校を再編統合し、市立札幌彩輝高校を新設する。普通科の新学科を「未来デザイン科」、商業科を「ビジネスイノベーション科」とする。また、美唄尚栄高校など30校では、これまでの入学者選抜結果や欠員状況、中学校卒業者数の推移を踏まえ、募集学級数を調整する。北見商業高校では、商業科と情報処理科を「情報会計科」に学科転換する。一方、南茅部高校(渡島学区)は生徒募集を停止することが決定した。
2028年度は、中学校卒業者数や在籍状況を勘案し、旭川工業高校の工業化学科で1学級減とする。釧路商業高校と釧路明輝高校は再編統合し、新たに総合学科5学級を設置する新設校を開校する。校舎は現在の釧路明輝高校の施設を使用する計画。また、美瑛高校(上川南学区)は生徒募集を停止する。
2029年度については、高校無償化や国の「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)」に基づく施策の動向を見極め、慎重に検討する必要があるとして、定員調整や学校の再編整備は実施しないことを決めた。なお、地域連携校である上川高校、天塩高校、羅臼高校の3校については、在籍者数が2年連続で20人未満となった場合でも、地域と連携して魅力化に取り組む「集中取組期間」を設け、再編整備を留保する。
道内の中学校卒業者数は1988年(昭和63年)の約9.2万人をピークに減少を続けており、2033年(令和15年)には約3.4万人まで減少すると推計されている。一方、2026年度入試では、公立高校(全日制・定時制)の欠員数が前年度比198人増となったのに対し、私立高校の欠員数は933人減少するなど、生徒の進路が私立高校へシフトしている状況がうかがえた。









