文部科学省の松本洋平大臣は2026年4月28日の会見で、デジタル教科書の使用を制限する学年と教科の考え方について説明した。「人材育成システム改革ビジョン」の取りまとめ、産業・科学革新人材事業(INSIGHT)公募開始なども語った。
デジタル教科書については、学校教育法等の一部改正法案が現在国会で審議中であるとしたうえで、「すべてがデジタルの教科書を認める学年・教科については今後、大臣指針の中で示していく」と述べ、指針の内容は有識者会議で議論しているとした。
国会で「現時点では小学校4年生以下では認めるべきではない」と答弁したことについては、現行の教科書代替のデジタル教科書を大規模に提供してきたのは小学校5年生以上であり、中教審や有識者会議でも小学校低学年や中学年は慎重に考えるべきという意見が多く出されていることなどを踏まえたと説明した。
さらに、中学校・高校段階を含む小学校5年生以上についても「教科一律ではなく、教科の特性を踏まえた対応が必要」と明言。そのうえで「たとえば、文脈を理解しつつ読み込んだり書き込んだりする学習場面が想定される国語や道徳、文章と資料を一覧で見る学習場面が多い社会などでは、すべてがデジタルの教科書はふさわしくない」との考えをあらためて示した。
また、「障害により学習上の困難を有する児童生徒の個々の状況に応じた対応も重要」との認識も示し、今回の制度改正により、教科書バリアフリー法に規定されている、教科用特定図書などの中に検定教科書の内容をそのままデジタル化したものを位置づけ、国としても標準規格を策定して発行を促進する考えだと説明。紙媒体の教科書では学習が困難な児童生徒が使用できるよう、拡大教科書や点字教科書などもしっかり準備したいとした。
「人材育成システム改革ビジョン」の取りまとめについては、高校教育改革を進めるための新たな財政支援の仕組みの構築、理工・デジタル系人材育成の強化、成長分野のリスキリングプログラムの開発、国立大学法人運営費交付金と科研費の大幅拡充を含む基盤的経費と多様な競争的研究費の充実・強化、新たな研究大学群の形成などをあげ、「ビジョンの内容の実現に向けて取り組んでまいりたい」と語った。
公募を開始した産業・科学革新人材事業(INSIGHT)については「先端技術分野において産業界・アカデミア双方で研究開発と人材育成を一体的に実施する新たな資金支援制度」と説明。「優秀な科学技術人材の育成確保や、研究開発力の飛躍的向上を図るとともに、産業界から大学への人的資本投資の大幅拡充を実現してまいりたい」と述べた。
このほか会見では、沖縄・辺野古沖の船転覆で研修旅行中の生徒が死亡した学校法人同志社への現地調査などに関しても質問に答えた。







