文部科学省の松本洋平大臣は2026年3月10日の会見で、学校の校務における押印やFAXの使用状況について言及し、業務の効率化や働き方改革の観点から原則廃止に向けた取組みを進める考えを示した。あわせて、福島県郡山市の中学校で報じられているいじめ問題についても触れ、法やガイドラインに沿った丁寧な対応を教育委員会に求めていると説明した。
文部科学省はこれまで、校務のデジタル化を進める中で押印やFAXの原則廃止を掲げてきた。会見では、学校の自己点検結果において、業務で押印を必要とする書類やFAXの利用が依然として残っている実態が示されたことに言及。これらは業務の実施場所を制限し、教職員の働き方改革の阻害要因になり得るとして、引き続き改善を図る必要性を強調した。
調査では、FAXの送信先の7割以上が民間事業者であることも明らかになった。文部科学省は、改善に向けて関係団体などへの働きかけを進める方針を示している。また、保護者が学校へ提出する各種申請書などでも押印が求められている場合があることから、クラウドサービスを活用した書類提出や連絡のデジタル化を進め、教職員と保護者双方の負担軽減につなげたい考えを示した。
同会見では、福島県郡山市の市立中学校で女子生徒が複数のいじめ被害を訴えて不登校となっている事案についても取り上げられた。学校や教育委員会がいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として調査を行っていないとされる点について、文部科学省は現在、福島県教育委員会を通じて郡山市教育委員会に対し、法やガイドラインに沿った丁寧な対応を求めていると説明した。
また、被害を訴える生徒が卒業文集でいじめに触れた内容を書いたところ、校長から書き直しを求められたとの指摘についても質問があった。大臣は、書き直しを求めた事実は把握しているとしたうえで、国として個別の言及は控えたものの、いじめ対応では被害者に寄り添った対応が基本であるとし、今回の対応についても検証が行われることが望ましいとの認識を示した。







