レバウェルは2026年1月20日、「こども誰でも通園制度」に関する保育士・幼稚園教諭への意識調査結果を公表した。保育士の半数以上が制度に不安を感じており、業務負担の増加や子供の安全確保への懸念が明らかになった。
「こども誰でも通園制度」は、保育所等に通っていない生後6か月から満3歳未満の子供を対象に、親の就労要件を問わず月一定時間まで柔軟に保育所等を利用できる新たな制度。2026年度に本格施行される予定となっている。
レバウェルはこの制度の本格実施に向け、保育士の意識調査を実施した。調査期間は2025年11月18日~26日、対象は全国の現役保育士・幼稚園教諭359名。
現役の保育士・幼稚園教諭に「こども誰でも通園制度」に対する考えを聞いたところ、「不安である(27.0%)」「やや不安である(26.7%)」が合計53.7%となり、過半数が不安を抱いている実態が明らかになった。一方、「期待している(4.2%)」「やや期待している(18.1%)」は合計22.3%にとどまるものの、一定の期待も見られた。
制度に期待している点としては、「保護者の子育て支援や孤立感の軽減につながる(51.8%)」「子供の成長や発達を支える機会につながる(29.8%)」が上位にあがった。一方、不安を感じている点としては、「子供の特性把握や個別対応にともなう負担増加(61.0%)」「事故や感染症など安全・衛生面でのリスク増加(39.0%)」が多く選ばれている。
こうした結果から、制度には保護者支援や子供の成長機会といった社会的役割に対して期待が寄せられる一方、一時利用の子供の増加や多様化にともなう、保育士の業務負担や安全管理への懸念が示される結果となった。
勤務先で子供ひとりひとりと関わる時間がどの程度確保できているかを聞いたところ、「あまり確保できていない(31.8%)」「ほとんど確保できていない(9.2%)」が合計41.0%となり、4割超えの保育士が子供と十分な関わりをもてていないと認識していることが明らかになった。
さらに、十分な時間を確保できていないと回答した保育士に、時間が不足した場合に懸念されるリスクについて聞いたところ、「事故・ヒヤリハットの増加(70.1%)」「子供の体調や発達面での変化の見逃し(57.1%)」が上位にあがった。
こうした結果から、保育現場では制度導入前の段階でも、子供ひとりひとりと十分に関わる時間の確保が難しい状況にあり、その時間不足が保育の質や安全性に影響を及ぼす可能性を、保育士自身が認識していることがわかった。
制度開始をきっかけに、働き方や転職意向への影響について聞いたところ、2人に1人が「現職を継続したいと思っているが、働き方に不安がある(51.0%)」と回答した。また、「より働きやすい園への転職を検討する(10.3%)」や「保育業界以外への転職を検討する(7.5%)」と回答した人も一定数おり、制度が今後の就業状況に影響を及ぼす可能性が示された。
制度を円滑に実施するために職場で必要な工夫を聞いたところ、「常勤保育士の増員(69.9%)」がもっとも多く、ついで「短時間・短期間勤務の保育士(パート・派遣・単発など)の増員(56.5%)」「保育補助や事務スタッフの増員(47.6%)」があがった。雇用形態や資格に関わらず、多様な人材の確保が現場で求められていることがわかる。
制度を円滑かつ安全に運営していくために必要な支援としては、「給与アップなどの処遇改善(81.9%)」がもっとも多くなり、ついで「保育士の人員補充・増員(74.7%)」「配置基準の見直しや制度改正(48.5%)」があげられた。
こうした結果から、制度によって保育士の働き方や人材確保の方向性に影響を及ぼす可能性があり、現場では多様な人員配置、適切な配置基準、処遇改善など、包括的な環境整備が不可欠であることが示された。
2026年度に本格施行される「こども誰でも通園制度」は、すべての子育て家庭を社会全体で支える重要な取組みである。一方で、保育業界では慢性的な人材不足が続いており、厚生労働省の調査では保育施設の80.3%が人材不足を感じていると報告されている。
待機児童問題の解消が進む中で、保育政策の新たな方向性として「保育の質」の維持・向上がより重要視されるようになり、現場における保育士確保は喫緊の課題となっている。
レバウェル保育士では、業界に精通した専門アドバイザーが、求職者のスキルやライフスタイルにあわせた多様な働き方を提案し、事業所が必要なタイミングで適切な人材を確保できるよう支援している。今後も、保育業界における人材不足の解消に向け、業界全体が抱える課題解決に貢献していくとしている。
調査の詳細はレバウェルのWebサイトで確認できる。














