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マイクロソフト、全国のICT活用成功事例を公開

 日本マイクロソフトは、全国の教育現場におけるICT活用の取組みをまとめた「全国の教育現場から学ぶ!ICT活用事例集」をMicrosoft Educationの公式サイトで公開している。学校や教育委員会でのさまざまな活用実践が紹介されている。

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全国の教育現場から学ぶ!ICT活用事例集
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 日本マイクロソフトは、全国の教育現場におけるICT活用の取組みをまとめた「全国の教育現場から学ぶ!ICT活用事例集」をMicrosoft Educationの公式サイトで公開している。事例集は「学習/校務アプリ」「AI活用」「デバイス」「データ活用」「セキュリティ」といったテーマごとに構成され、学校や教育委員会でのさまざまな活用実践が紹介されている。

 「学習/校務アプリ」の分野では、聖徳大学附属取手聖徳女子高等学校の事例を掲載。教員自身がPower Platformを活用して校務アプリを開発し、出欠管理や各種申請書類の作成などの「名もなき校務」を大幅に効率化した。紙の申請作業を自動化することで、申請作業の96%を削減。さらに、年間1,000枚以上の紙削減や、教員の心理的負担軽減にもつながっている。

 「AI活用」の事例としては、愛知県立一宮高等学校を紹介。一宮高校ではMicrosoft 365 Copilotを活用し、テスト問題や解説プリントの作成を効率化。従来1時間かかっていた小テスト作成が数分で終わるようになり、授業準備の時間短縮を実現した。さらに、Formsからファイルが削除されるといったトラブルにも、残されていたWord文書とCopilotを活用して復元に成功。「Microsoft Office製品に組み込まれている」というCopilotの最大の強みを生かし、多岐にわたる業務の効率化を図っている。

 「デバイス」分野では、佐賀県立致遠館高等学校が取り上げられている。佐賀県教育委員会は、生成AIの利用ガイドラインを全国の教育委員会に先駆けて作成し、佐賀県唯一のSSHである致遠館高校において、生成AIのCopilotとマイクロソフトSurfaceを活用してPythonによるプログラミング授業を展開。教育機関向けライセンスで使用するCopilotは、入力したデータがAIモデルに学習されないという利点を生かし、安全性を担保しつつ、生成AIと対話しながら生徒が自らコードを改良する新たなプログラミング授業に取り組んでいる。

 そのほかにも、教育版マインクラフトを活用した長野市教育委員会の不登校支援施設の取組みや、Microsoft 365 A5を核にゼロトラスト型の次世代校務DXを実現した福井県教育委員会の「セキュリティ」分野の事例、GIGA端末更新にあわせてMicrosoft 365 A5とAVD(Azure Virtual Desktop)を導入した荒川区教育委員会の挑戦、Microsoft AzureとPower BIを用いて児童生徒の学習状況や心の状態を可視化に取り組んでいる渋谷区教育委員会の「データ活用」の事例などが紹介されている。

 事例集は、Microsoft EducationのWebサイト内、導入事例のページからダウンロードして見ることができる。授業改善から校務効率化、不登校支援やセキュリティ基盤構築まで幅広い分野をカバーしており、教育関係者にとって次のICT活用を考えるうえで有益な資料となっている。

《畑山望》

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