私立大学を取り巻く環境が厳しさを増す中、文部科学省は2025年4月24日、経営指導・助言機能を強化し、学校法人間の連携・合併や撤退に向けた支援を強化する方針を固めた。学部や学科を新設する際の設置基準も厳格化する。
4月24日の「2040年を見据えて社会とともに歩む私立大学の在り方検討会議」で提案され、今後具体的な検討に入る。
文部科学省によると、過去5年間に設置された私立大学の学部・学科(大学院の研究科を除く)のうち約3割が、平均入学定員充足率7割未満となっている。日本私立学校振興・共済事業団の調査では、私立大学全体の入学定員充足率は2023年度99.59%、2024年度98.19%と、入学者数が入学定員を下回っている。
会議では、急激な少子化を見据えた大学経営のあり方について、有識者などからヒアリングし、意見交換。文部科学省が2025年度に経営指導を行っている学校法人は42法人だが、今後さらに少子化の進展とともに経営状況が厳しさを増すと予想されることから、学校法人の撤退や合併に関するルールや具体的な施策の必要性を確認した。
具体的には、学校法人の経営状況の評価指標の再検討、学校法人間の連携・合併や円滑な撤退に向けた支援、新たな学部設置認可の厳格化などの方針を示した。