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落雷事故の防止、留意点や危険性を周知…文科省

 部活動中の落雷事故を受け、文部科学省は2025年4月11日、全国の教育委員会や学校設置者などに向けて、落雷事故の防止を依頼する事務連絡を出した。指導者が落雷の危険性を認識し、落雷の兆候や対応に留意するよう、あらためて求めている。

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落雷事故の防止について
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 部活動中の落雷事故を受け、文部科学省は2025年4月11日、全国の教育委員会や学校設置者などに向けて、落雷事故の防止を依頼する事務連絡を出した。指導者が落雷の危険性を認識し、落雷の兆候や対応に留意するよう、あらためて求めている。

 4月10日午後6時ごろ、奈良市の学校グラウンドに雷が落ち、サッカー部の活動中だった中学生6人が病院へ搬送。このうち1人が心肺停止、2人が意識不明の重体となった。落雷による事故は過去にもあり、2024年4月にはサッカー部で活動中の生徒が落雷に遭い、18人が病院へ搬送、このうち1人が意識不明の重体になっている。

 文部科学省は、今回の事故を受け、各都道府県・指定都市教育委員会、各都道府県私立学校主管課、附属学校を置く各国立大学法人などに対し、落雷事故の防止を依頼する事務連絡を発出。部活動を含む学校の備えを確認し、事故防止のため適切に対応するようあらためて求めている。

 屋外での体育活動などについては、指導者が落雷の危険性を認識し、事前に気象情報を確認するとともに、天候の急変などの場合はためらうことなく計画の変更・中止などの措置を講ずるよう要請。指導体制が変わった場合などにも対応に遺漏のないよう十分留意するよう注意喚起している。

 また、児童生徒に対しても、発達段階などを踏まえながら、落雷の危険を感知した際はためらうことなく指導者に申し出るよう指導。登下校中の対応についても留意することとしている。

 落雷の兆候とそれに係る対応については、「厚い黒雲が頭上に上がった際には、雷雲の接近に注意する」「かすかでも雷鳴が聞こえる際には落雷の危険がある」「落雷の危険がある場合には、すぐに安全な場所(鉄筋コンクリートの建物、自動車、バス、列車などの内部)に避難する」をあげている。

 落雷事故防止のために活用が考えられる参考情報として、気象庁「全国の警報・注意報」、気象庁「雷ナウキャスト」も紹介している。

《奥山直美》

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