あべ文部科学大臣は2025年7月8日の記者会見で、教員の性暴力処分歴を確認できるデータベースの活用状況調査で、私学の75%にあたる5,480法人が教員採用時に確認を怠っていることが判明したと報告した。法令違反にあたる結果に「極めて遺憾」と強く非難した。
教員の性暴力処分歴が確認できる「教員採用権者による特定免許状失効者等データベース」は法律に基づき、教員採用時の活用が義務付けられている。文部科学省は2024年度に全国の私立学校を運営する学校法人を対象に活用状況の調査を実施したが、全国の私立学校を運営する学校法人のうち、およそ75%にあたる5,480法人が活用していなかったことが確認された。
あべ文部科学大臣は「子供を守り育てる立場にある教員が児童生徒に対して性暴力を行うなどということは断じてあってはならない」と述べ、児童生徒性暴力の未然防止に向けてデータベース活用の重要性をあらためて訴えた。
また、会見では、大学運動部における薬物使用事件が相次いでいることについて質問が寄せられた。6月に専修大学の柔道部に所属していた学生が大麻を所持していたとして逮捕されたほか、国士舘大学の柔道部やラグビー部でも大麻使用などが明らかになっている。
あべ文部科学大臣は「大学スポーツに対する社会の信頼を損うような事案が相次いで生じていることは大変遺憾」と述べ、「いかなる理由であっても薬物の使用は断固として許されるものではない」と強調した。各事案の状況を注視するとともに、関係者に対し、大学スポーツにおけるインテグリティ確保の重要性について周知徹底を図り、大学の主体的な取組みを促していく方針を示した。