文部科学省は2025年3月26日、大阪教育大学と札幌大学が申請した大学間連携について、「教育課程等に関する事項の改善に係る先導的な取組に関する特例」に初認定した。両大学は2026年度からオンデマンド型授業を活用した教職課程連携をはじめとする新たな大学間連携を展開する。
この特例制度は、大学の創意工夫に基づく取組みを促進し、今後の大学設置基準の改善につなげるため、内部質保証等の体制が十分機能していることを前提に、教育課程等に係る特例を認める新たな制度。文部科学大臣の認定を受けることで、各大学が自ら開設する授業科目によって教育課程を編成しなければならないという原則が緩和され、他大学が開設する授業科目の一部を自大学の開設科目とみなすことができる。
今回、文部科学省は大阪教育大学と札幌大学からの申請内容について、中央教育審議会大学分科会「教育課程等特例制度運営委員会」において審査し認定。2026年4月~2031年3月(令和8年4月~令和13年3月)まで、特例として認定する。
大学間連携では、大阪教育大学が開設する一部の授業科目を札幌大学へ提供し、札幌大学が自ら開設する科目として開講する。提供科目は、教職科目のうち「生徒指導論(1単位)」「進路指導論(1単位)」に加え、教員養成フラッグシップ大学指定科目の「ダイバーシティと教育(1単位)」の3科目。2026年度から札幌大学でオンデマンド配信により開講予定。
このほか、両大学に所属する学生の授業内外での交流や、教職員の資質向上を目的とした連携事業、マイクロクレデンシャルの導入などについても順次実施に向けた検討を進めていく予定だという。
大阪教育大学は、教員養成フラッグシップ大学として先導的なカリキュラムを全国へ発信することで地域全体の教員養成の高度化に寄与。札幌大学は、教職課程を効率的に展開するとともに、地域の私立大学における教員養成の中核として質の高い教員の養成に貢献する。両大学は、今回の大学間連携によりオンデマンドを活用した授業科目の質保証システムを確立し、全国の知的資源を活用した効率的かつ安定的な教職課程運営および柔軟な履修モデルを提供するための新たなモデルの構築を目指すとしている。