熊本県教育委員会は2025年3月21日、「熊本県学校教育情報化推進計画」を公表した。学校教育の情報化の推進に向けた基本的方向性、2027年度までの具体的な指標、授業改善と業務改善のための施策などをまとめている。
熊本県では、学校教育の情報化の推進に関する施策を総合的・計画的に実施するため、2021年度から2023年度までの方向性を示した「熊本県教育情報化推進基本方針」を2021年3月に策定。今回、この基本方針を改訂し、「熊本県学校教育情報化推進計画」を策定した。
「熊本県学校教育情報化推進計画」の期間は、「第4期熊本県教育振興基本計画」とあわせた2024年度から2027年度までの4年間。県立学校に加え、市町村立学校(熊本市を除く)も計画の対象とする。
計画では、基本的方向性(目指す姿)に「ICTを活用し、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるような『資質・能力』を身に付けた児童生徒の育成」を掲げる。目標(成果指標)には、「『学校情報化認定制度』の活用」「児童生徒の情報活用能力」「教職員のICT活用指導力」「ICTの環境整備」「ICT推進体制の整備と働き方改革」の5つをあげている。
計画に基づき、施策を総合的・計画的に実施するにあたり、具体的な目標(指標)も設定。「1人1台端末を授業でほぼ毎日活用している学校の割合」は、現状値(2023年度)の小学校69.8%、中学校66.7%、県立高校74.6%に対し、2027年度の目標値は各校種とも100%。
「児童生徒が自分の特性や理解度・進度にあわせて課題に取り組む場面で1人1台端末を使用(ほぼ毎日+週3回以上)させている学校の割合」は、現状値(2023年度)の小学校49.8%、中学校41.4%、県立高校48.3%に対し、2027年度の目標値は各校種とも80%。
「ICTを活用した校務の効率化(事務の軽減)の優良事例を十分に取り入れている学校の割合」は、現状値(2023年度)の小学校46.8%、中学校43.1%、県立高校100%に対し、2027年度の目標値は各校種とも100%。
さらに「全般的事項」「児童生徒の情報活用能力」「教職員のICT活用指導力」「ICTの環境整備」「ICT推進体制の整備と働き方改革」の各項目について、個別目標(活動指標)も設けて、目標達成に向けた取組みについて示している。
熊本県教育委員会Webサイトでは、計画や計画概要、計画素案に対する県民意見などを掲載している。