文部科学省は2025年1月14日、「公立学校施設における木材利用状況(令和5年度)」を公表した。2023年度は新築691棟のうち、486棟(70.3%)が木材を使用、うち国産材が58.0%を占めた。同省は木造校舎の整備や内装の木質化に対して国庫補助を行い「木の学校づくり」を進めている。
文部科学省は2015年度から「木の学校づくり先導事業」を実施し、2019年度からは毎年、公立学校施設における木材の利用状況について調査している。調査対象は全国の公立学校施設(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)。
2023年度は新しく建築されたすべての学校施設691棟のうち、486棟(70.3%)が木材を使用。木造施設は108棟(15.6%)、非木造で内装木質化を行った施設が378棟(54.7%)だった。
学校種別ごとの木造施設は、「中等教育学校」100%(1校中1校)の割合がもっとも高く、「高等学校」37.3%(75校中28校)、「幼稚園」36.0%(25校中9校)、「義務教育学校」21.2%(33校中7校)、「特別支援学校」18.2%(44校中8校)、「中学校」14.3%(154校中22校)、「小学校」9.2%(359校中33校)と続いた。
新築・改修を行った学校施設では3万6,813立法メートルの木材を使用、国産材の使用量が58.0%を占めた。使用内訳は木造施設が35.5%にあたる1万3,073立法メートル、非木造施設の内装木質化等が64.5%にあたる2万3,740立法メートル。
2023年度に整備された学校施設の木材使用量にかかる炭素貯蔵量(CO2換算量)は約2.2万t-CO2と推計。約1.2万人が1年間に排出する炭素量を貯蔵したことになるという。
今後、文部科学省では調査結果を受けて、各地方公共団体に対して公立学校施設における木材利用の促進に関する通知を発出。引き続き木造校舎の整備や内装の木質化に対する国庫補助を実施し、関係省庁と連携を図りながら、講習会などに取り組み木材を活用した学校施設づくりを普及・啓発する。
なお、木造校舎の整備や内装の木質化に対する国庫補助負担は原則、新増築が2分の1、改築・大規模改造等が3分の1。地域材を利用して木造施設を整備する場合は、補助単価を5.0%加算している。