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法科大学院の機能強化構想、32校の2028年度目標値を公表

 文部科学省は2024年8月23日、法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムについて、各法科大学院の2024年度~2028年度の5年間の機能強化構想を公表した。最高評価を達成した一橋大学など32校の構想実現に係る取組みや目標値をまとめている。

教育行政 文部科学省
各法科大学院の機能強化構想(2024年度~2028年度)
  • 各法科大学院の機能強化構想(2024年度~2028年度)
  • 一橋大学大学院法学研究科法務専攻機能強化構想
  • 一橋大学KPI各年度目標値
  • 東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻機能強化構想
  • 東京大学KPI各年度目標値
  • 京都大学大学院法学研究科法曹養成専攻機能強化構想
  • 京都大学KPI各年度目標値

 文部科学省は2024年8月23日、法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムについて、各法科大学院の2024年度~2028年度の5年間の機能強化構想を公表した。最高評価を達成した一橋大学など32校の構想実現に係る取組みや目標値をまとめている。

 法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムは、各法科大学院が5年間の機能強化構想とそれを実現するための具体的な取組みを検証可能な目標(KPI)とともにパッケージとして計画し、各年度の進捗状況を評価する方法で実施。予算配分は、2024年度に提案のあった32校の法科大学院を3類型に分類し基礎額、機能強化構想と実績を評価し加算額を設定し決定、3月22日に公表している。

 最大評価となる第1類型(基礎額算定率90%)は、東京大学、一橋大学、京都大学、慶應義塾大学など8校。加算率を加えた評価は、一橋大学が110%でもっとも高かった。

 最高評価を達成した一橋大学のKPI(2028年度目標値)をみると、未修者の司法試験合格率は基準値33%に対し、40%。未修者の標準修業年限修了率(直近5年平均値)は基準値79.9%に対し、85%。協定先の法曹コース出身者の司法試験合格率は基準値73.1%に対し、80%。在学生女性比率は基準値37%に対し、40%。標準修業年限修了率(未修既修共通)は基準値84.2%に対し、89%。循環サイクル新規参入修了生数(直近3年平均値)は基準値7.41人に対し、10人。機能強化構想充実分については、教育訓練給付受給者数の維持・増加、研究志向の修了生の増加をあげている。

 また、最終配分率105%を達成した東京大学は、既修者の修了直後の司法試験合格率を100とした場合の未修者の修了直後の司法試験合格率が、基準値35.2%に対し、2028年度目標値50%。そのほか、協定先の法曹コース出身者の司法試験合格率が、基準値75%に対し85%、他研究科等と連携した講演や国際セミナーなどの参加人数は、年間の基準値1,600名に対し、2,000名など。機能強化構想充実分については、アジア法の教育を通じた多面的・創造的な法律家の育成、持続可能な高度の法科大学院教育のための法学研究者・法学教員の育成を掲げている。

 京都大学は、未修者の修了後1年内司法試験合格率(直近3年間の平均値)が基準値37.5%に対し、2028年度目標値43.0%。このほか、法曹コース修了者の修了後1年内司法試験合格率が基準値80%に対し、90.0%。法学未修者の標準修業年限修了率(直近3年間の平均値)が基準値49.4%に対し、55.0%。博士後期課程進学者数(直近3年間の平均値)が基準値3.3人に対し、3.7人など。機能強化構想充実分については、先端的な法政策課題の法曹教育への還元、女性法曹輩出に対する取組みを設定している。

 文部科学省Webサイトでは、各法科大学院の機能強化構想についてまとめた資料を公開。各校の教育理念(教育方針)および今後目指すべき方向性、2024年度からの機能強化構想について、実現するための区分・取組みとKPI各年度目標値を掲載している。

《川端珠紀》

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