正進社と大日本図書、日本文教出版、学校図書、教育出版は2024年4月1日、中学校の数学科の教科書・教材の統計データのコンテンツを共同で提供することを公表した。2025年4月より開始する。ICTを活用した学習の促進と学校教育の質の向上を目的としている。
中学校の数学科の学習指導要領では、4領域の1つである「Dデータの活用」で、「日常生活で不確定な事象についてデータに基づいて判断する場面が多く、目的に応じてデータを収集して処理し、その傾向を読み取って判断することが有用である」「よりよい解決や結論を見出すには、データに基づいた判断や主張を批判的に考察することが有用である」の2点が指導において重要視されているという。
このような指導を進めるにあたり、教科書・教材に掲載の統計データや学習の中で収集した統計データからグラフを作成する際、授業で使う教科書・教材とグラフ作成ツールの連携が効率的であるため、正進社のグラフ作成ソフトウェア「SGRAPA(スグラパ)」を用いることになった。
「SGRAPA」は、正進社がCSR活動の一環で公開している無料のグラフ作成ソフト。中学校の統計のグラフが簡単に作成、編集ができ、授業の展開にあわせて使用できる。作成したグラフのダウンロードや、プロジェクトの保存・読み込みも可能。インストール不要の「インターネット版」と、ネット環境がなくても使用できる「ダウンロード版」があるという。
大日本図書、日本文教出版、学校図書、教育出版の教科書会社4社が業務提携を行い、2025年4月よりサービスを共同で提供する。教科書・教材などにある二次元コードを端末で読み取る、またはWebサイトよりアクセスすることで、教科書・教材の統計データが取り込まれた状態で「SGRAPA」を開くことができる。授業の中でデータを収集・処理し、グラフ化するまでの部分をデジタルで行うことで、傾向の読み取り、判断、考察といった部分に、より多くの時間を割くことができるとしている。