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園の悩みは「人手不足と保護者からの苦情」全面解決は1%

 エンカツ社は2024年1月18日、保育の安全教育・研究センターの協力で「保育園や幼稚園など未就学児施設運営者の『悩み』の実態について」アンケート調査結果を公表した。よくある悩みの1位は「職員に関すること」だった。

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未就学施設運営者にとってよくある「悩み」
  • 未就学施設運営者にとってよくある「悩み」
  • 未就学施設運営者が最近直面した大きな「悩み」

 エンカツ社は2024年1月18日、保育の安全教育・研究センターの協力で「保育園や幼稚園など未就学児施設運営者の『悩み』の実態について」アンケート調査結果を公表した。よくある悩みの1位は「職員に関すること」だった。

 「保育園や幼稚園など未就学児施設運営者の『悩み』の実態について」は、オンライン「クライシス予防と対応策セミナー」に参加している全国の施設運営者24名を対象にオンラインで実施した。調査期間は、2023年12月28日~2024年1月7日。有効回答数は13件。

 「施設運営において、よくある悩みは何か」について、第1位「職員に関すること」が61%と、第2位「保護者対応に関すること」23%を大きく上回る結果となった。

 「最近直面した大きな悩み」については、第1位「保護者対応に関すること」が54%で過半数を占めた。第2位は「職員に関すること」38%だった。施設運営者が頭を悩ます二大要因が「職員」と「保護者」であることがわかった。

 自由回答の書き込みでは、職員に関する悩みの多くが「人手不足」に起因しており「保育士が足りないのに延長保育の子供は増える」「職員確保と職員育成が課題」「人手不足の中、職員に辞められたら困る」など経営者の苦悩が目立つ結果だった。

 保護者に関する悩みでは、苦情や過剰要求だった。園児同士のけんかなどのトラブルが起きた時「保育方針がよくない」「この園はやられたらやり返すということを許すのか」「どういうことか!」など、保護者の怒りの矛先が、保育士に向けられたケースも報告された。さらに「精神的に困難を抱える保護者の対応」について、「悩みを相談する公の機関がない」などの声も聞かれた。

 さまざまな悩みに対して、相談相手が「いる」と全回答者が回答した。その相手は「自園(法人)関係者、園職員」「同業者(他園の運営者など)」「外部の専門家」などだった。しかし、相談した結果「全面的に解消(解決)した」と回答したのは、わずか1件(8%)で、69%は「部分的に解消した」にとどまった。

 今回のアンケート結果により、未就学児施設運営者が人手不足によって生じた過酷な状況で、保護者対応に苦慮していることが明らになった。エンカツ社の宇於崎裕美代表取締役社長は「保育園や幼稚園の運営者や現場職員の状況が広く世間で理解され、保護者との間でより前向きな協力関係が築かれることが、健全な保育環境には必要不可欠」とコメントしている。

《宮内みりる》

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